VG20ETを搭載したZG/ZS/Zに変わって、Z31に200ZRI/IIが設定されたのは85年のこと。その200ZRには新開発でスカイラインにも採用されることになる直6ターボエンジン、RB20DETが搭載されているのが大きな特徴だ。また200ZRIはノーマルルーフでIIにはZ伝統のTバールーフが採用されており、今回取材したクルマはそのIIのほう。
ちなみに、翌86年に行われたマイナーチェンジでは、アメリカに設立されたNDI(ニッサンデザインインターナショナル)によってエクステリアがグラマラスなフォルムに一新されるとともに、VG30DEを搭載した300ZRが追加設定されているゾ。
そんな200ZRIIに日常域での扱いやすさやモアパワーを与えるべくRB25DETをスワップしたのが、このアルティメイトのマシンだ。
アルティメイト高賀茂サンいわく「RB20でチューニングを進めていくのもいいですが、たとえばエンジン内部に手を加えてよりパワーを出そうとすると、下はスカスカのどっかんターボになりがちでコストもかかってしまうんです。それに引き替えRB25を使えばノーマルでもトルクが太くパワーも出しやすいですし、RB20より強度もあってメンテナンス性も高いとメリットが多く、まさに性能とコストのバランスがとれた理想的なプランなんです。載せ換え作業にしても、もともと直6が搭載されているモデルなので、めんどうな取りまわしやボディ加工なども必要ないですよ」とのこと。 |
スワップされたRB25はECR33に搭載されていたモノ。それにトラストのサージタンクやHPIのエキマニ、さらにQ45スロットルなどが装着され、タービンはGT2540がセットされる。圧縮比は1.8mm厚のヘッドガスケットによって8.6に設定され、未計測のため予想ではあるがブースト圧0.9kg/cm²で約300psにアップされているゾ。
また、制御系はハーネスの引きなおしとともにECR33純正ECUを使用。Z31用のままでも問題はないが、そのばあい可変カムの制御ができないというのがネックとなり、RB25のポテンシャルを引き出すことが難しいのだ。
ちなみにここでRB26に載せ換えるという選択肢もあるけど、それには配管の取りまわしに手間がかかったりボディ側にも加工が必要だったりしておのずとコストが高くなってしまう。しかも街乗りでのあつかいやすさや300ps〜400psあたりの馬力を狙うのであれば、このクルマのようにRB25でじゅうぶん楽しく乗りやすいクルマに仕上げることができるワケで、どちらを選ぶかはオーナーの好みやチューニングの方向性によって変わってくるんだ。
さらにZ31のように古いクルマとなると、メンテナンスに手間とお金をかけることが多くそれだけ苦労もたえないもの。けれど、そういった問題を進歩したチューニング技術や最新のパーツによってひとつひとつクリアしながら、長くつき合っていくというのも80年代車の楽しみかたといえるよね。 |