仏恥義理80's From OPTION [2006.10] TOP > web マガジン > 特集 バックナンバー > 仏恥義理80's > ソアラ3.0GTリミテッド
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GLOBAL ソアラ3.0GTリミテッド[MZ12]
ベースは6M-G搭載の希少グレードTD06を2機がけした500ps仕様!
取材協力:グローバル 岐阜県岐阜市八代2-22-7 072-369-3539
モチーフになったのはトラスト“大川ソアラ”
 81年に大排気量スペシャリティクーペの草わけとしてデビューしたZ10系ソアラ。当時の最上級グレードは2.8L直6の5M-G(170ps)を搭載した2800GTエクストラで、イメージカラーであったベージュ&ブラウンの2トーンカラーを思い出すひともすくなくないハズだ。
 その後、マイナーチェンジで排気量を3Lに拡大した5M-G(190ps)搭載モデルが登場。なかでも今回取材した3.0GTリミテッドは、エレクトロマルチビジョンやマイコン式オートエアコンなどをフル装備したフラッグシップであると同時に、じつは生産期間がたったの1年…という希少モデルであったりもする。
 そんな初代ソアラを6M-Gのままチューニングしてるのは、かつて最高速シーンをにぎわせたトラストのデモカー、俗にいわれる“大川ソアラ”がオーナーのあこがれであるからだ。
 エンジン本体はHKSの7M-G用オーバーサイズピストンにリセス加工(5M-Gの2バルブに対して7M-Gは4バルブ)をほどこし、排気量を3.1Lに拡大。ヘッドガスケットをトラストの2mm厚に交換して圧縮比を8.5にセットしている。タービンはTD06-20Gツイン、ウエストゲートはHKSRタイプで、ブースト圧をトラストTVVCでコントロールしているところがいかにもだ。
 と、エンジンチューンの内容は80年代の香りをプンプン漂わせてるけど、制御系はいまどきの手法でまとめられている点に注目したい。まず、燃料系は追加インジェクターをPFC-Fコンで制御するかつての定番から、550ccメインインジェクターのみに変更。さらに、点火系にはRB26のダイレクトイグニッションを流用することでデスビを廃している。ECUはFコンVプロ。とうぜん、エアフロレス化も図られているゾ。
 これで、最大ブースト圧1.5kg/cm²時に500psを発生。と同時に制御系の大幅な進化によって、フラットなトルク特性と日常域でのあつかいやすさも実現しているのだ。
「ノーマルは吸気量の測定がアバウトで吸気抵抗も大きいフラップ式エアフロ使ってるし、燃料だって3気筒ごとのグループ噴射でしょ。それをエアフロレス&シーケンシャル噴射にしたら、エンジンの性格がガラッと変わったね。トルク特性がすごくフラットになったから、たしかに体感的な速さはうすれたけど、乗りやすさは格段に向上してるよ」とグローバルの永井サン。
 当時のチューニング技術ではイッパツの速さこそあっても、信頼性の面で課題を残していたのが現実だった。それが、技術の進歩やパーツ精度の向上によって、80年代車でも“速くてコワれないチューニング”ができるようになったワケだ。
 ちなみに、オーナーはZ20系→Z30系と乗りついでZ10系にたどりついたという。しかも、取材車両のほか7M-G搭載のブリスターフェンダー仕様とZ30系も所有してるという熱狂的なソアラフリークなんだって!
ホイールは16インチのBBSメッシュでフロント7J、リヤ8J。フロントはクラウン用のハブを流用して5穴化できるそうだけど、リヤは構造的に他車種からの流用ができないってことで、前後とも4穴のままだとか。 カムカバーやサージタンクが時代をかんじさせてくれる6M-G。インテークパイプは70φで統一されている。また、助手席側ストラットタワーの前にセットされた点火コイルから、ダイレクトイグニッション化が図られてることもわかるハズ。
ワンオフ42.7φエキマニを介してセットされたTD06-20G。エアクリーナーどころか、ファンネルさえも装着してないところがオトコらしい。 ウエストゲートは大気開放で、パイプエンドが右ホイールアーチのうしろに突き出している。そのレイアウトは、かつてナベタゼロヨンでよく見かけたS30Zをマネたものだそうだ。
足まわりはフロントがAE92用ショートストロークダンパー+メーカー不明の直巻きスプリング、リヤがセリカ用ポテンザジムカーナ(なつかしい!)に純正スプリングという、いかにも80年代チックな組みあわせだ。 メーターパネル左側にタコメーターやATポジションを表示するほか、テレビも見られるエレクトロマルチビジョンを標準装備。センターコンソールにはTVVCがセットされ「雰囲気がある」ってことでGCC&AICのコントロールユニットも残されている。グローブボックスには水温、油温、油圧、燃圧の各追加メーターを装着。
8つの調整機能を持った“8ウェイスポーツシート”。当時、トヨタのスポーツモデルのほとんどに装着されてた定番アイテムだ。3.0GTリミテッドは標準で表皮が本革になる。
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