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昭和車チューンがおもしろい!!
仏恥義理80's

NY30 セドリック
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C&Y SPORTS セドリックセドリック[NY30]
エンジンルームに収まるのはRB26DETT
見せることにもこ だわった異色チューンド!
取材協力:C&Yスポーツ 愛知県愛知郡東郷町大字春木太子32 0561-38-8325 http://www.c-ysports.com
ベース車のセレクトもチューンの方向性も個性的
 セドリックとしては6代目にあたるモデルが83年に登場したこのY30型。それまで日産の主力エンジンだったL型に代えて、国産車としては初めてV6エンジン(VG30E/20E/20ET)を搭載したことが大きな話題になったモデルだ。
 その翌年にはZ31とおなじVG30ET(220psのデチューン版)をラインアップに追加。85年にはVG20ETが可変ノズルを持ったウイングターボ仕様にバージョンアップされた。
 いまでこそ衝突安全性の問題から、FR車に載せられるのは世界的にもV6エンジンが主流。そんななか、セドリック(と、その兄弟車グロリア)は、はるか20年以上も前にいち早くいまどきの流れに乗っていたんだから、ちょっとしたオドロキだ。結果論だけど「やるじゃん日産!」ってかんじ。
 ただ、VG系エンジンを搭載するのは普及グレード以上であって、C&Yが手がけたこのY30は、エンジンルームにCA20が収まったもっともベーシックな“スタンダード”っていうグレード。じっさいにはタクシーや教習車としての需要が多かったモデルだ。ボディの程度がバツグンによかったという取材車両もなにを隠そう、もともとは教習車だったりするんだって。
 そんなY30をベースにRB26DETTをスワップ。エンジン本体は基本的にノーマルのまま、タービン交換とそれにともなう燃料系の大容量化を行ってVプロでセッティング…というのがエンジンチューンの概要になる。
 それにあわせて駆動系もとうぜん強化。クラッチはOS技研トリプルプレートを組んで、ミッションにはHCR33用が流用されてるゾ。
 もちろん、足まわりチューンだって抜かりナシ。フロントはZ31のストラット一式を、リヤにはY30のVG系モデルに採用されるホーシングを移植。このホーシング移植は手っとりばやくデフの大容量化を図れるのがイチバンのメリットで、600psものパワーを受けとめるためには必須のメニューといってイイ。また、流用によるブレーキキャリパーの大型化を考えると、Z31用ストラットとVG系ホーシングはブラケットのサイズが好都合だったりもするのだ。
 オモシロイのはそのチューニングコンセプトで、オーナーは「ゼロヨンマシンの雰囲気を漂わせながら、カスタム系ミーティングの会場でも絵になるクルマ」をめざしてるそうだ。
 というと、カッコだけのクルマみたいに思われがちだけど、ラインロックを装備してたり、リヤタイヤにはニットーを履かせたりするなど、ゼロヨンマシン必須のパーツももれなく装備。見ためだけじゃなく、バッチリ走れるように仕上げられている。ベース車もチューニングの方向性もちょっと変わってるけど、それこそオーナーが胸を張れる最大のアピールポイントなのだ。
丸目4灯ヘッドライトとメッキバンパーがセダンの最廉価グレード、スタンダードの証。ボディラインが角張っていて大柄に見えるけど、サイズ的には5ナンバー枠に収まっている。ホイールは、カスタム系で定番のメッキタイプと迷ったあげく、意外性を重視してレイズTE37に決定したとのこと。リヤには275/40-17サイズのニットーNT555Rを装着する。 RB26のチューンドエンジンでありながら、緑メタ+紫フレアーでペイントされたカムカバーがすごく新鮮。さらに、サージタンクやパイピングがピカピカに磨きあげられ、タービン&エアクリーナーまわりの遮熱板やバッテリーうしろのカバーなどがアルミパネルでつくられるなど、エンジンルームは見ため重視で仕上げられている。
タービンはTO4Rカットバック。エンジン本体は、ヘッドガスケットをTOMEI製に交換しただけで基本的にノーマルだけど、最大ブースト圧は1.6kg/cm²に設定され600psを発揮する。バフがけされたコンプレッサーハウジングにも注目だ。 ミッションは、RB26スワップ仕様では定番のECR33純正5MTに換装。ギヤの厚みがBNR32/BCNR33の純正ミッションとおなじだから、パワーに対する耐久性が高いのだ。また、クラッチはOS技研のトリプルプレートが組まれている。
フロントサスをストラットごとZ31後期用に交換することで、BNR32キャリパーのボルトオン装着を可能にしている。パッドはルービックスだ。また、車高調ユニットはTRDダンパーにHKSの直巻きスプリング(8k)を組みあわせたワンオフ品がセットされる。 おなじリジッドアクスルでもデフサイズが大きく(H190→R205)、もともとディスクブレーキが装着されるVG30搭載モデルのホーシングをまるごと移植。ただ、完全ボルトオンというわけにはいかないから、調整式ピロアッパーリンクをワンオフ製作してアクスルの位置を適正化しているのだ。ちなみに、キャリパー&ローターはHCR32用に交換ずみ。
直線基調の切り立ったインパネは、80年代中盤までの日産車に共通して見られるデザイン。チューニングカーらしさをかんじさせてくれるのはオートメータータコメーターや、デフィー水温/油圧計くらいなもの。ステアリングホイールやフロアマットなどには、ひとめでそれとわかるカスタム系パーツが使われている。
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