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日産 スカイラインクーペ From JDM-OPTION [2007.11]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
日産 スカイラインクーペ PART2
NISAN SKYLINE COUPE 370GT Type SP
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VVELはまったく違和感ナシ! スカイライン史上最強の333psにしびれた
 ちなみに今回の試乗車は「タイプSP」なので、19インチタイヤやスポーツサスペンションとともに4輪アクティブステアも標準装備。4ドアセダン登場時に賛否両論のあった「4輪アクティブステア」は、効きがずいぶんマイルドになって存在を主張するというよりは、縁の下の力もちに徹している印象で、違和感がなくなった。
 ターンインの鋭さは中低速域でステアリング操作よりも前輪が多く切れ、後輪が同位相する「4輪アクティブステア」が効いているはずだけど、その4輪アクティブステアに違和感がないから、人間の感覚に逆らわずに素直に曲がる。そこから先は、たとえコーナーが深くまわり込んでいてもピタッとラインをトレースしてくれる旋回性能が頼もしいのだ。
 頼もしいといえば、エンジンもじゅうぶん期待に応えてくれる。新登場のVQ37VHRエンジンは、最高出力333ps。最高出力が性能のすべてではないけれど、ひと昔前のGT-Rよりも大きな最高出力なのだから“不足のない速さ”だってことは容易に想像できること。そのうえ、トルクもじゅうぶんで扱いやすいし、7500rpmまでストレスなくまわる優等生的特性。小排気量エンジンのような高回転域の盛り上がり、そしてカミソリのような切れ味のレスポンスこそないけれど、“奏でる排気音”も含めてスポーティだ。
  うれしかったのは、VQ35HRエンジンに比べると6000rpmを超える高回転域でのパワーに盛り上がりがあったこと。これが、個人的には新型エンジンでいちばんの“萌える”ポイントだった。
 また、このVQ37VHRエンジンの注目ポイントのひとつに、スロットルバルブではなく吸気バルブで吸気量を調整するVVEL(Variable Valve Event and lift)の採用がある。そしてそのVVELは、吸気抵抗の低減によるレスポンスアップに貢献しているという。しかし、結論からいえばVVELの存在をフィーリングとして感じることはなかった。それは言い換えれば「違和感がない」ということ。新しいメカニズムの存在を意識させずに自然な感覚で運転できるのは悪いことではなく、むしろ、歓迎すべきことだ。
サスペンションアームはほとんどが鍛造アルミ製で、バネ下重量の削減を考えていることがわかる。フロントサスペンションは、ストラット式だ。基本的にはV35の進化版と考えていい。 リヤサスペンションはマルチリンク式。V35に対して、アッパーアームの構造合理化、ラジアスロッドにアルミ摩擦圧接工法の採用、ロアアームのアルミ材強化などにより、バネ下重量の軽量化をはかっている。
「タイプS」や「タイプSP」には、新開発の曙ブレーキ製アルミキャリパーを採用している。フロントが4ポッドで、リヤは2ポッド。ブレーキローター径は、フロント355mm、リヤ350mmだ。標準仕様や「タイプP」はワンサイズ小さなブレーキとの組み合わせとなる。 スポーツグレードの「タイプS」や「タイプSP」には、19インチタイヤを標準装備。銘柄はポテンザRE050Aで、サイズはフロント225/40、リヤ245/40だ。タイヤのツライチにもこだわっていて、車体に対するタイヤの張り出しは法律で許されるギリギリまで外側だ。
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