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マツダ CX-7 From JDM-OPTION [2007.04]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
マツダ CX-7 PART3
MAZDA CX-7
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エンジン特性は、ターボというより大排気量NAのよう
 「いわれなければターボだと気づかない」それがエンジンに関しての第一印象。ターボラグは皆無で、トルクが低回転域からフラットに出ていることがそう感じさせるのだ。
 CX-7の心臓は、「MZR」というマツダの最主力エンジン。排気量2.3リッターの直列4気筒で、燃料を筒内に直接噴射する「直噴」にターボを組み合わせている。マツダスピードアテンザやマツダスピードアクセラ、そしてMPVなどと基本的に共通のユニットである。
 フラットなトルク特性になっている理由のひとつはタービン。タービンの変更により、CX-7の出力は、272psのマツダスピードアテンザや264psのマツダスピードアクセラとちがい、238psとやや抑え気味になっているのだ。
 SUVのキャラクターにあわせたトルクカーブを実現するため、CX-7は低速型のA/R比と小型化したコンプレッサーインペラのタービンを採用。結果として、低いエンジン回転数から過給圧が立ち上がるリニアな特性にしているのである。
 大排気量自然吸気らしさの原因はもうひとつ。一般的なターボエンジンよりも圧縮比が高いから、ターボラグを感じないことである。高圧縮比の秘密は直噴。一般的なターボはシリンダー内の温度が高くなるので、ノッキングが起こりやすく、圧縮比を低めに設定するのが常識だ。
 しかしCX-7の直噴ターボエンジンは、シリンダー内に燃料を噴くことで温度上昇を抑制できるから、9.5:1というターボエンジンとは思えない高圧縮比を実現可能。圧縮比が高いから、極低回転域のトルクもしっかり確保できている。そんな直噴と、ハイレスポンスタービンとの相乗効果でターボラグを感じないのである。
 個人的には、ターボエンジンは高回転で元気になる味付けのほうが好みだったりはする。だけどSUVという立ち位置を考えれば、2000rpmから4000rpmまでほぼフラットなトルク特性は納得できるし、使い方を考えれば好ましいとも思う。
 ただ、低中回転域を重視したエンジン特性の反動として高回転の気持ちよさがないこと、そして音がノイジーで快音とはいえない部分はちょっといただけないかな。
 動力性能は車重1740kgに対して238psだから、遅くはないけれど驚くほどの速さはない。ターボラグがほとんどないとはいえ、大排気量自然吸気エンジンを積んだムラーノやハリアーの「アクセルを踏んだ瞬間に後ろから蹴られるような感覚」を味わうと、やや物足りなさを感じるのも正直なところだ。だけど、高速道路の合流でも頼れるし、箱根のワインディングでもパワー不足を感じることはなかった。
 CX-7の採用する4WDは、FFをベースにした電子制御によるアクティブトルクコントロール式。トルク配分は、走行状況によりFF状態から前後直結状態までコントロールするけど、曲がりにくくなるようないやな挙動はなかった。
 そんなCX-7の走りは、スポーティだけどピュアスポーツではない。だから、ワインディングを楽しむためのクルマとしてはまだまだ物足りない部分もある。しかし、スポーティなスタイリングやシャープなハンドリングなど、ライバルのSUVとはちょっとちがうキャラクラーで攻めてきたところは、さすがマツダだなと思う。
DISIとは“Direct Injection Spark Ignition”の略で、直噴エンジンの意味。直噴とハイレスポンスのターボを組み合わせたことにより、低回転域から太いトルクを発生し、大排気量自然吸気エンジンのような特性だ。 エンジンはターボ付きの直列4気筒2.3リッターを横置きに搭載。ひとまわり大きいCX-9(北米向けモデルで日本投入予定はなし)にはV6エンジンを用意しているが、CX-7には搭載しないようだ。
タイヤサイズは前後とも235/60R18。銘柄はグッドイヤーの「EAGLE RS-A」だ。決してグリップレベルが高いタイヤではないが、CX-7のシャシーバランスにはマッチしている。 ATは6速トランスミッションを組み合わせていて、Dレンジからレバーを右側に倒すとマニュアルモードに入る。マニュアルは後方に倒すと「シフトアップ」、前方に倒すと「シフトダウン」で、これは一般的なマニュアル操作とは逆だ。
試乗レポーター工藤ちゃんの総括
マツダ CX-7の○と×
○
SUVとは思えない
スポーティなエクステリア
文句なしにカッコイイ ×
300万円を超えるんだから、も
うちょっと内装の質感を‥‥
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