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日産 フェアレディZ バージョンニスモ タイプ380RS From JDM-OPTION [2007.12]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
日産 フェアレディZ バージョンニスモ タイプ380RS PART2
NISAN FAIRLADY Z Version NSIMO Type380RS
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サスペンションやボディはバージョンニスモと共通
 排気量アップの方法は、ストロークアップ。ストロークはノーマルに対して7mm増えた88.4mmだ。エンジンは、ロングストローク仕様のクランクシャフト(型鍛造+フィレットロール加工)のほか、アルミ鍛造製の専用ピストン、強化コンロッド、カムシャフト、バルブスプリング、バルブスプリングリテーナー、オイルジェット、インジェクター、ECUなどを専用アイテムとして採用している。
 また、連続高回転使用時にクリアランスが適正になるようにピストンクリアランスを広めに取るなど、エンジンはレースでの使用を前提にしているのがこの380RS。そんなスペックを聞くだけで身構えてしまうのが正直な気持ちだ。だから、実際にエンジンをかけてみた時に、始動やアイドリングを含めて“荒々しさ”がないのは予想外だった。排気音やアイドリング時のエンジン音なんて、ベンツかと思うくらいおとなしいもの。びっくりするほどジェントルだ。 レーシングエンジンという響きから、いかにも生ガス混じりの排気ガスや脈を打つアイドリングなど、間違っても六本木や銀座には近づけないような“都会の似合わない呼吸”を想像していたのだけど‥‥。ま、そんな“いかにも”なクルマは今どきじゃないっていうことなんだろうね(生ガスの臭いがするような排気ガスは法律も許さないだろうけど)。
 エンジンがスマートな理由は、あくまでもストリート仕様としてデチューンを施しているから。レース仕様エンジンと比べると、インマニやエキマニ、空燃比や点火時期、そしてVTC(バルブタイミング)を変更している。「扱いやすいレーシングエンジン」っていうのは、疑問視するひともいるだろう。でも大丈夫。チューニングで演出すればどうにでもなりますから。それより、ノーマル状態では「普通に扱えること」のほうが大切でしょ? ノーマル状態なのに「扱いにくい」クルマなんてやだもんね。
 いっぽうで、エンジン以外に関しては「フェアレディZバージョンニスモ」とほぼ同じ。生産ラインの途中でラインからはずして補強しているボディやGTマシンの空力データを生かし120km/h付近でフロント5kg、リヤ15kgのマイナスリフトを発生するエアロをはじめ、しなやかな味付けのサスペンションもバージョンニスモと同じスペックだ。これらに関しては、派手過ぎて賛否両論がでそうなエアロのデザインを除けば性能的にも満足できるものだろう。しなやかな足なんて、デートでもじゅうぶん使える乗り心地だし。
 ただ、「RS」という専用エンブレムのほか、インテリアの仕立て(ステアリング、シフトノブ、パーキングブレーキレバーのいち部が赤くなっている)は380RS専用だ。
90mmロングノーズ化したフロントバンパーはマイナスリフトに貢献するだけでなく、GTマシンから受け継いだ、GTマシンと同様の空気の流れを実現する形状だ。デザインの好みはともかく、しっかり走りに効くエアロといえる。 さりげないデザインのサイドシルプロテクターだが、空気の流れをしっかりと計算した形状。エクステリアパーツは下部をブラックにしていることで、シャープな印象を受ける。
リヤバンパーは、まんまGTマシン。ディフューザー形状でかなりアグレッシブなデザインである。大きなサイズのリヤスポイラーは2段形状になっていて、見るからにダウンフォースが強そうだ。マフラーは、オールステンレス製。 一部を赤くしたステアリング、シフトノブ、パーキングブレーキレバーは、380RSの専用アイテム。形状は、ノーマルやバージョンニスモと同じだ。
本革とアルカンターラを組みあわせたシートは、バージョンニスモと共通品。形状は、ノーマルと同じだ。インテリアにあるのは上質さで、レース用エンジンを連想させるようなスパルタンさはない。 ドアトリムはノーマルとは異なる赤ステッチ入りで、これもバージョンニスモと同じだ。「黒ではなくグレー」のシートベルトも、バージョンニスモ同様。インテリアは、ノーマルより質感を高くしたてている。
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