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スバル インプレッサ S-GT From JDM-OPTION [2007.08]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
スバル インプレッサ S-GT
SUBARU IMPREZA S-GT PART3
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10月登場のSTIバージョンは別部隊が鋭意開発!
 まあ、そんな“ゆる〜い”新型インプレッサだけど、初代や先代に比べてとても優れていることだってしっかりとある。それは、トータルバランスの良さだ。
 いままではインプレッサWRXに乗っていて、「乗り心地がいい」と思ったことなんてないでしょ? でも、新型はすごく乗り心地がいい。街中では段差を乗り越えたときの衝撃の吸収の仕方がとても穏やかだし、高速道路でも車体の上下動が少なく彼女とのデートだってなんの問題もない。17インチをはいているのにだよ。
 ソリッドとはいえないワインディングでの身のこなしだって、コーナリングスピードはじゅうぶん速いし、ハンドリングで怖い思いをすることだってないし、なにより素直だ。ただ、今までのようにクイックには走れないけどね‥‥っていうだけのことだ。
 実は、「S-GT」の狙いはそんなトータルバランスなのである。これまでの「WRX」は、いち部のコアなユーザーだけに受け入れられるキャラクターだったけど、こんどの「S-GT」は、ターボエンジン+4WDだけど、もっと“普通のひと”にも乗って欲しいというのがスバルの狙い。より多くのひとが味わえるけど本場のひとにはなんだかもの足りない、パクチー抜きのタイ料理みたいなものをあえて狙っているのである。つまり、スバルの狙いは達成されているんだよね。
 ボクらが感じる違和感やまったりした感覚は、普通のひとにあわせた自然な味付けの結果なのだ。
 でもそんなインプレッサは、僕らが求めるインプじゃない‥‥とボクは思う。新型では、スポーツパッケージとはいっても、走りの刺激はかなりスパイス不足なのが現実だ。ボクらが求めているのは、快適でトータルバランスが高いクルマじゃない。パクチーでもタバスコでもハバネロでもワサビでもなんでもいいから、とにかく刺激を盛り込んだ走りが欲しいんだ。
 ‥‥というのは、スバルだってじゅうぶんわかっていること。実は、遅れて「STIバージョン」が登場することが半ば公然になっている。しかも、よりマニアックな味付けにするために標準インプレッサとは別のチームが鋭意開発中というのだ。“刺激的な仕様”は、ワイドフェンダーのボディに280psを超える高出力版EJ20と6速ミッションを搭載し10月に登場するはず。新型インプレッサの実力をここで批評するのは、その後だ!
センタークラスターを中心に、左右に羽ばたくようなインパネデザイン。カーナビは高い位置にあり、視認性&操作性がいい。 大型のタコメーターを中央に置いた、スポーツドライビング向きのメーターもスポーツパッケージの専用装備品。エンジンOFF時には、ブラックアウトする。
エンジンをかけると、まず4つの針が振り切り、次いで目盛りが赤く点灯。ドラマチックな演出が組み込まれているのだ。 カーナビの画面には、平均&瞬間燃費とアクセル開度を表示可能。どうせなら、ブースト圧や水温&油温なんかも表示できるともっとうれしいけど‥‥。
試乗レポーター工藤ちゃんの総括
バランスよく走り、乗り心地もよく、素直で扱いやすいマシン。だけど、インプレッサと考えれば刺激が足りなすぎ。特に先代オーナーは、買い換えるべきではない。ワサビをたっぷり塗った、気合の入ったSTIバージョンの登場を待つのが正解だ。
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