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スバル インプレッサ S-GT From JDM-OPTION [2007.08]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
スバル インプレッサ S-GT
SUBARU IMPREZA S-GT PART2
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方向性が変わったのは見た目だけじゃない!
 いくら“ゆる〜い”とはいっても、新型インプレッサのトップグレードである「S-GT」は、250psのターボエンジンを搭載したハイパワー4WD。おなじみEJ20エンジンは先代からのキャリーオーバーとはいえ、吸排気バルブのタイミングを油圧で変化させる「デュアルAVCS」が新採用されているし、タービンは先代よりも小型でレスポンスに優れている。だから、ガンガン走ってくれないと、こうしてJDMオプションで原稿を書くボクだって困る‥‥。
 という切実な願いを持って乗ってみたものの、残念ながら期待値に届かなかった。ドアの開閉感は悪くないし、撮影車両は“スポーツパッケージ”装着車だからバケット風のシートもヤル気を感じる。だけど、エクステリアの見た目だけじゃなく運転感覚も“ゆる〜い”感じなのだ。
 話はちょっとズレるけど、最新型レガシィには「SIドライブ」と呼ばれる制御が組み込まれて、エンジンやATの制御を3段階から選択することができる。で、「インテリジェント」と呼ばれるモードを選ぶと燃費重視の、とてもまったりしたレスポンスになるんだ。
 で、話を戻すと、新型インプレッサのエンジンフィールはまさにその「SIドライブ」の「インテリジェント」モードな感じ。アクセルに対して低回転域での反応が鈍く、もちろんターボが効き出す3000rpm付近になると元気になるし、そこから上の7500rpmまでの吹けあがりも以前よりずっとスムーズ。
だけど、どうもまったりした印象のエンジンなのだ(アクセルのツキがよくないって感じ)。あ、水平対向のネガティブな部分として低回転トルクが薄いのも一因なんだけど。
 う〜ん、買ったらもう少しレスポンスをよくしたい。ECUチューンでなんとかなるだろうか? アクセルのツキは電子制御スロットルのセッティングが大きく影響していそうな雰囲気だから、電子制御スロットルの制御を変更するだけでも効果があると思う。
 じゃあ、ハンドリングはどうか? これまた見た目通りの“まったり感”。ストレートにいっちゃうと、いままでのWRXのような“パキン、パキンッ!”ってまるでレーシングカーのようにキビキビと曲がっていくようなソリッド感はすっかりと影を潜めている。
 ステアリングの中立付近はしっかりしている(これは凄く好感が持てる)のに対し、切り始めのノーズの入りはとにかく普通。決して悪いわけではないんだけど、WRXに乗っていたひとが乗り換えたとすればとても違和感を覚えるにちがいない。
 サスペンションはストロークを大切にする味付けで、今どきの流行りのストロークを許してロールしながらコーナリングする感じ。たしかに舵はきちんと効くし、動きも素直だし、驚くほど曲がるし、気持ちいいし、クルマとしての完成度は高い。動作がやわらかくて扱いやすいのは評価できる。だけど、インプレッサだと思うとどうも“ゆる〜い”んだよね。辛くないタコスってどうなのよ?
S-GTは2Lターボだが、そのほかに2Lと1.5Lの自然吸気エンジンも用意している。等長等爆エキゾーストなので、かつてのようなボクサーサウンドはない。 撮影車両は5速マニュアルだが、4速ATもラインナップしている。STIバージョンには、6速マニュアルが搭載されるらしい。
フロントサスペンションはストラットを継続採用。エンジン搭載位置は、GD型に対し前端部で22mm、デフ付近で10mm下げて低重心化している。 リヤサスペンションは、新採用のダブルウイッシュボーン。ストロークはしっかりと確保され、ハンドリングに貢献している。
S-GTのスポーツパッケージは、17インチのタイヤ&ホイールを標準装備。タイヤサイズは前後とも205/50R17で、銘柄はアドバンA10。 バケットタイプのスポーツシートはスポーツパッケージ専用アイテム。とはいえ、本格的にワインディングを走るには役不足だ。
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