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I&D DIREZZA JZX100チェイサー | MeisterR 100TypeR | kazama promode JZX100 MARK2 | TRAUM SUPER CHASER | V-BOX徹底検証 | 私的総括 ターザン山田 JZX100
JZX100 最終決戦
ターゲットは筑波スーパーラップ
ねらえ!59秒台!!
ドリ車のイメージが強いJZX100ではあるけど、その素性のよさはだれもが認めるところ。サーキットアタックでもかなりの俊足っぷりを発揮する。パワー重視、軽量化重視、足まわり重視、ボディ剛性重視とアプローチこそちがうものの、そんなJZX100を本気でチューニングして筑波最速をねらっているのがこの4台だ。現在のJZX100レコードは1分0秒台ということもあり、もはや1分切りは射程圏内。今シーズン、もっとも熱い戦いが繰り広げられそうなスーパーセダンをズームアップ!
ブースト2.0kg/cm2時、実測800ps!
パワーでねじ伏せるタイムアタック専用マシン
I&D DIREZZA JZX100チェイサー
BESTLAP 1分01秒686
ターザン山田の全開インプレッション
踏んだ瞬間に「パワーがあるゾ」と直感。「じゃじゃ馬」だとすぐにわかった。思ったよりパワーバンドが狭くって、5000rpmからブーストがかかりはじめて、6000rpmでやっと「ウワーッ」ときて、7500rpmまでくるかんじ。ファイナルをノーマルの3.7から4.3に落としてるんだけど、それでもこのパワーバンドじゃ2速から3速へシフトアップしたときの回転落ちがカバーできないんだ。そのパワーの出かたもけっこう激しくて、立ち上がりでホイールスピンが止まらないくらい。路面をかくのを抑えるとパワーバンドからはずれて失速してしまうので、レブに当たるギリギリのところでコントロールしているかんじ。けっこう直線的なライン取りをしてるんだけど、それでも空転してしまってもったいないかな。コーナリングでは車重があるぶん、クルマが外に外にと逃げたがるよね。進入で突っ込んでもアンダーステアで、踏むと今度はオーバーステアで、オーバーがでると収まらないんだ。第2ヘアピンからの立ち上がりなんかで、かなり損してると思うよ。荒削りなかんじがするけれどけっこう速いのも事実なので、詰められる余地はまだまだたくさんあると思うよ。
「存在しないパーツは作る」の精神で1JZのままパワーチューン
「JZX100がJZX100であるために、エンジン、シャシー、メンバー等のスワップをいっさい行わない」。それがI&Dの開発コンセプトだ。なかでも、もっともこだわっているのが1JZの2.5Lエンジン。世のなかの主流は腰下を2JZにした3L仕様の1.5JZで、2JZに関してはエンジンパーツも豊富。そのノリで1JZのエンジンパーツを探してみても、じっさいにほとんど存在しない。ならば作ってしまおうということで、0.5mmオーバーサイズとなる86.5φの鍛造ピストン、H断面コンロッドを製品として開発。ヘッドまわりはIN264度(9.5mmリフト)、EX272度(9.0mm)カムをインナーシム式に変更して組んでいる。このインナーシムキットはリテーナー、強化バルブスプリング、インナーシムがセットになったもの。過給器系はオリジナルのEXマニを介してK5-700R(#11)タービン改を装着。ノーマルではピックアップがよすぎてサージングを起こしてしまったので、EXフランジ内径を拡大して仕事量を落としているのだそうだ。パワーを追求しているからこそではあるものの、結果的にはターザン山田がいうようにパワーバンドを高回転に移行させすぎたのかもしれない。燃料系はメインインジェクターを800ccにし、I&Dオリジナルコンピューターのギャロップでセッティング。ブースト2kg/cm2時、800ps/7000rpm、82.5kg-m/6800rpmを発生する。最高出力発生回転数と最大トルク発生回転数が近いことからも、ドッカンターボ具合が想像できるだろう。「ピークパワーをねらいすぎましたね。もう少し下の4000rpmから8500rpmまで使えるようなエンジンのほうがイイのかもしれません。冬の本格的なタイムアタック時期に向けて、さらに熟成させますよ」とI&D開発担当の金子サン。ピークパワーとパワーバンドの両立が今後のテーマとなりそうだ。
ダッシュボードにノーマルの面影アリ
各種メーターを装着するのに便利という理由で、ノーマルのダッシュボードを残している。センタートンネルにはブレーキのプロポーショニングバルブを装着。
ドアを徹底的に肉抜きする
もはや最低限の骨格のみのドアにし、さらに外板下半分をFRP化。ノーマルで約20kgだったドアが9kgになったとか。アクリルウインドウも固定となっている。
トランク内も補強&軽量化
トランク内の開口部も鉄板溶接により箱型に補強し、リヤタイヤハウスも鉄板溶接で補強。トランクフードも着脱式とし、必要のない部品は外して軽量化する。
マウント位置を上げさらにリジッド化
コアが見えるのはデフオイルクーラー。フロント&リヤともにメンバーごとマウント位置を約10mmあげ、デフマウントはリジッド化もされている。タイムアタック専用マシンならではの作りだ。
ワンオフサージタンクにインフィニティスロットル
高出力をねらうときにネックとなるサージタンクはワンオフ製作され、インフィニティ90φスロットルと組み合わせているのも特徴。ロールケージがバルクヘッドを貫通し、フロントストラットハウスへ溶接されるが、さらにそのまわりを鉄板溶接によって箱型にして強度アップを図っている。
ワンオフブリフェンでワイドトレッド化
トレッドをかせぐためブリスターフェンダーにしているのが特徴。フロントバンパー内、インタークーラーとラジエターをVマウントしているのがわかる。左右にはオイルクーラーをツインコアにし、複雑化による圧損を防ぐため電動オイルポンプで駆動している。ホイールはディレッツァRZF(9.5J-18)、タイヤはディレッツァ02GM2(265/35-18)。
アベックスN1ベースのI&Dチューン
足まわりはI&DオリジナルN1ダンパーC-1スペック。フロントタイヤハウス内が随所に溶接補強されているのがわかる。フロントローターはプロμの355φ。
問い合わせ:I&D 千葉県柏市藤心893-1 04-7176-9323 ○ このページの先頭へ
ユーザーがマネできるキット物チューンと
おカネをかけない軽量化の1310kg!
MeisterR 100TypeR
BESTLAP 1分01秒758
ターザン山田の全開インプレッション
JZX100というと重ったるいという先入観があって、その感覚で突っ込んでいくとビックリした。ブレーキングからクリップまでのステアリングレスポンスはいいし、旋回性能も高い。クリップから先でもリヤのトラクションが思ったよりスムーズにかかってくれるんだ。なんとなくシルビアくらいの振りまわし感があるよね。バリバリに軽量化したシルビアとはまたちがうけど、JZX100も車重が軽いというだけでキビキビ動くようになるんだ。エンジンは4500rpmからブーストが立ち上がって、6900rpmでシフト。急激にホイールスピンすることもなくて扱いやすい。けど、シフトアップしてからブーストが立ち上がるまでに少し間がある。タービン選択が大きすぎるのかもしれないね。ファイナルをノーマルの3.7から3.9へ落としてるから、全体的にはローギヤードになるけれど、各ギヤのつながり自体は平行移動なんだ。1速から2速より、2速から3速のほうが離れてるギヤ比なんだよね。そのギヤ比に合わせたエンジン特性にするのがJZX100攻略のカギなんじゃないかな。シフトアップ時に1回1回失速してしまうのがもったいない。それだけで1秒以上ロスしてると思うよ。
低予算でパワーを求める1.5JZと溶接をしないボディ補強がポリシー
「お客さんがマネできるように、ワンオフパーツは使わない」仕様でJZX100での筑波最速をめざしているのが、ラスティー・マイスターR。タイムアタックマシンとして、もっとも重視しているポイントは軽量化だ。必要のないモノは徹底的に外しインテリアはほぼドンガラ状態。ボディもボンネットやトランクをオリジナルのカーボンケブラー製とし、フロントガラス以外をアクリル5面としている。現状で車重は1310kg、ノーマルからくらべたらかなりの軽さだ。特徴的なのはボディ補強に対する概念にある。ワンオフしない=市販品を使うという定義からロールケージはセーフティ21の13点式。その装着が、レーシングカーであればとうぜん溶接留めとなるのだけど、たんなるボルト留め装着となる。また、ドア開口部の補強なんかをみても、スポット溶接によるものではなくリベット留め。ワンオフパーツを使わないだけでなく 溶接を入れない というこだわりもあるのだ。「溶接によって鉄板に熱が入ると、少なからず歪み(縮み)が発生するのと、サビにも弱くなるでしょ。オーナーには少しでも長くそのクルマに乗ってもらいたいという思いがあるので溶接したくないんですよ」とラスティー代表の有田サン。溶接とリベットを比較した場合、リベットのほうが軽いうえ金額的に安いというのも採用にいたった理由だ。エンジンは腰下2JZの1.5JZ仕様に、HKSのVカムキット、トラストT78タービンキットを組む。メインインジェクターは800cc、制御はパワーFC(1JZ、MT用)で行う。これもだれもがマネできる仕様というコンセプトどおり。以前、1.5JZノーマル+GT3040キットで筑波1分0秒台を記録しており、今回は1秒台という結果に「トルクバンドが高回転へズレてしまったので、ギヤのつながりが悪かったと思います。だいぶ方向性が見えてきたので、いい感触です」と有田サン。JZX100初の筑波1分切りをめざして、今後の改良が楽しみだ。
インパネはアルミ板+カーボンシート
可能な部分は徹底的に軽量化。ダッシュボードもアルミ板で作られ、各種メーターを装着する。ノーマルの面影が残るのはステアリングコラムまわりくらい。
FRP製のリヤドアで軽量化
FRPリヤドアは重量4.7kgと大幅に軽量化が可能。パワーウインドウを残しているのは、「一応、使い勝手を考えて」のこと。
ドンガラな室内空間
むずかしいことはいっさいナシ! 必要のない外せるものは全部外し、鉄板溶接などの重量増となる加工もしない。あくまでだれでも可能な仕様がコンセプトだ。
GTウイングのダウンフォースを
ロスなくフロアへ伝える
GTウイングのダウンフォースをきっちりとシャシーに伝えるために、トランクからはフード支えるための補強ブレースがニョッキリ。フードとフロアがバーで連結されるかっこうとなり、これが効果バツグンとか。
キット物主体で構成される 低予算エンジンがポイント
誰もがマネできる仕様として、ラスティーの回答は腰下2JZ流用の1.5JZ。そしてHKSのVカムキット、トラストのT78キットといった市販パーツでチューニングされているのがポイントだ。そこまでの予算は…というノーマルカム仕様のばあいはGT3040キットの装着がおススメだそうだ。
GTスペックフルエアロと
カーボンボンネット&トランク
ラスティーオリジナルのエクステリアパーツで構成される外観。変更点といえばカナードが装着されているくらい。フロントバンパー内に収められるインタークーラーはトラストR-SPL。ホイールはCE28N(9.5J-18)、タイヤはアドバンA048(265/35-18)。
アラゴスタベースの
ラスティーチューン
足まわりはアラゴスタ車高調をベースとしてストロークと減衰力を変更したラスティースペック。スプリングはスイフトのF16kg/mm、R14kg/mmをチョイスしている。ブレーキはJZA80スープラ流用。パッドはPFCをセット。

問い合わせ:カーメイク ラスティー 東京都江戸川区瑞江1-20-3 03-3678-5225 http://www.rasty.tv/ ○ このページの先頭へ
ストリートも乗れてドリフトも楽しめる
それを満たしたうえでの筑波最速がターゲット!
1分02秒951 JZX100 MARK2
BESTLAP 1分02秒951
  ターザン山田の全開インプレッション  
まずエンジンについてだけど、正直言って高回転でのピークパワーは、I&Dやラスティーのほうが上。でもトルクはあるしパワーバンドも広いしレスポンスもよくって、扱いやすさではコッチのほうが勝ってるね。4000rpm手前からブーストがスッと立ち上がって、そのまま6500rpmまで加速が続く。4000rpm手前から加速体勢に入れるってことは、それだけコーナー立ち上がりスピードが高くなるわけなんだけど、そのおかげでピークパワーはなくても裏ストレートでのトップスピードはほかの2台とおなじか、それ以上に出ちゃってる。ホント、乗ってて気持ちいい特性だよ。じゃあ、なんでタイムが2台の1秒落ちかってことだけど、これは仕様のちがいでしょーがないこと。だって、これって基本ストリート仕様でしょ。それもあって、タイムアタックするには足がやわらかすぎる。ストロークが大きいぶん、トラクションのねばりはあるんだけど、コーナーでロールアンダーになっちゃう。それから、とにかくクルマが重いから、早めのブレーキングが必要。せめてフロントに6ポットが入ってればもっと攻められたんだけど、この車重で4ポットってのはタイムアタックするには容量不足。ま、ある意味この仕様でこのタイムなんだから、よくできてるとも言えるのかな。
  1400kgオーバーの車重を3.1Lのぶっといトルクでカバー  
カザマオートのJZX100は、サーキットタイムアタック専用マシンではなく、「街乗り快適でドリフトも楽しめ、グリップでも速い!」という、なんとも欲張りなコンセプトで作られている。今年アタマのスーパーラップでは、1分1秒前半をマークした実力車でもある。このJZX100、快適性をウリにしているだけあって、エアコンは装着したまま。ほかにも軽量化らしいことはほとんど行っておらず、車重はほぼノーマル状態の1400kgオーバー。足まわりにおいても乗り心地を意識したものになっていて、しいて言えばストリートドリフト仕様といったところ。その乗り味についてターザン山田いわく「タイムアタックではやわらかすぎ」。とはいえ、そんな仕様であっても筑波1秒台を出し、今回のアタックでも2秒台をマークしているのだから、その戦闘力はあなどれない。そして、そのいちばんの要素となるのが、エンジン特性にある。エンジンは1JZをベースに、腰下に2JZを使った、いわゆる1.5JZ仕様。さらに1mmオーバーサイズのピストンを組み合わせ、排気量を3.1Lへとスープアップ。この排気量アップが効果テキメンで、低回転から図太いトルクを生み出すことで、重いボディでもグイグイ引っ張っていけるというわけだ。ちなみに、タービンはK5-660Rを装着。2.5Lのままでは低回転でまわしきるのはきびしいサイズだけど、3.1Lなら低回転時のピックアップを犠牲にしなくてすむ。もちろん、タービン風量が大きくなることでピークパワーも上をねらえるようになるのだから、イイコトづくしだ。今後の予定について、「エンジンの特性がいいのはわかったから、あとは足まわり系の煮詰めだね。でも、基本スタンスを変えるつもりはないよ。とにかくこの仕様で何秒出るか挑戦していく」と風間サン。この車重で59秒台というのはキツイだろうけど、1分0秒台なら…。煮詰める要素があるだけに、期待したくなる1台だ。
1.5JZ+K5-660R
ブースト1.8kg/cmで600ps
1JZのままならタービンはK3-450Rサイズあたりがベストなマッチングとなるが、3.1??の恩恵により2サイズも大きなK5-660Rの装着が可能に。まだパワーは計測していないそうだけど推定で600ps、トルクはとにかくモリモリとのこと。
ACパネルはセンターコンソール内へ移設
通常エアコンパネルとオーディオが収まるセンターパネルには、追加メーターやブーストコントローラーをセット。そのためACパネルはセンターコンソール内に移設。オーディオは取り外され、数少ない軽量化メニューとなっている。
ロールケージはタイヤキャリアも兼任
街乗りもするとは言え、タイムアタックやドリフトもすることから、乗員保護のためにロールケージを装着。とくにほかのボディ補強はやっておらず、「どうせやるなら!」ということでピラー留めでワンオフ製作。ちなみに、シート後ろのカバーがかかった部分はタイヤキャリアとしても使えるようになっている。このロールケージ、走行会ユーザーに人気が出そう!?
オリジナルエアロでドレスアップで抜かりなし!
エアロパーツはフロントフェンダーも含め、カザマオートのオリジナルブランド、promode(プロモード)を装着。リヤフェンダーは片側50mmたたき出し、それに合わせてリヤドアのフェンダーにかかる部分をFRPで盛り付けている。「じつを言うと、いちばんこだわったポイントは見ためだったりするんだよね」とは風間サン。
足まわりの煮詰めが今後の課題
車高調はアラゴスタベースのカザマ仕様。そしてカザマオートオリジナルとなるアーム類を使い、アライメントを適正化。ただ、「いまの仕様ではアタックするにはやわらかすぎる」とターザン。ブレーキもフロントには4ポットがおごられているものの、やはり容量不足と指摘されたポイントだ。

問い合わせ:カザマオートサービス 埼玉県北葛西郡庄和町金崎635-1 048-745-2026 ○ このページの先頭へ
パワーに頼るのではなく軽さで勝負!
SRエンジン換装で車重1200?まで絞り込む!!
TRAUM SUPER CHASER
目標タイムは57秒台!4ドアFR最速をめざす
今年の東京オートサロンで披露され、話題を呼んだリアルドリームのスーパーチェイサー。軽さを追求し、1JZよりも軽量コンパクトなSR20を搭載。ボディメイクもハンパじゃなく、いったん完全なドンガラ状態にして必要ないものはすべて取っ払い、なんと車重は1200kgまで絞り込まれている。ここまで軽量化にこだわったのは、JZXを知り尽くしたリアルドリームならではの理由がある。1JZはたしかにいいエンジン。耐久性は高いし、チューニング次第で800psオーバーだってねらえる。でも、これまでに数多くのショップが1JZでの筑波1分切りに挑むも、いまだに達成できていないのが現状。筑波のようなテクニカルコースを舞台とするなら、パワーだけに頼っても限界がある。それよりも4ドアセダン最大の弱点、重さを克服することこそが先決と判断した。そして、以前400psのS15で筑波59秒台をマークした実績から、ノウハウもあり、4気筒のアルミブロックで軽いSR20へのスイッチを決めたってわけ。で、気になる走りについてだけど、今回はセッティングがまだ取り終わっていないためにアタックはナシ。そのためポテンシャルをあきらかにすることはできなかったのだけど、目標タイムは59秒をさらに上まわる57秒台というのだから、期待できるってもん。今年12月のスーパーラップを目標に仕上げていくそうなので、走りについては、そのときに詳しく報告するぞ。
4発SR20だからこそのフロントミッドシップ化
もともと6気筒が搭載されていたところに4気筒を載せるだけあって、スペース的には余裕が生まれる。じつはバルクヘッドに大幅な加工を施さなくても、フロントミッドシップ化できるというのも、SR20への換装を決めた理由だったりする。エンジンは2.2L化され、K5-660Rタービンを装着。まだまだセッティング段階だけど、ブースト1.5kg/cm²で550psという仕様だ。
ボディ剛性も軽量化とおなじぐらいこだわる
室内は当然のようにガランドウ。すべて引きなおした配線類は少しでも短くできるようにとダッシュボード周辺に集められ、センターパネル後ろにはドライバッテリーがセットされる。また、ボディの剛性不足も4ドアセダンの弱点。フルスポットとワンオフロールケージでその問題も解消済みだ。
フロア下の作りこみもハンパじゃない!
純正の燃料タンクは取り外され、さらに当て板により補強されたリヤメンバーが覗く下まわり。フロア下からも、軽量化と剛性アップへのこだわりを知ることができる。
アーム変更でトレッドとホイールベースを拡大
車高調はトラウムと圭オフィスのコラボモデル。これからフロントのアーム類を交換し、前側に10mm、外側に30mmハブ位置がオフセットされるそうだ。その後、足まわりをさらに煮詰めていくとのこと。
見ためにも走りにも効くGTフェンダーキット
「チェイサーがスーパーGTに出たら…」というイメージで仕上げたというエクステリア。フェンダーは前後ともに片側35mmワイドとなり、トレッドの拡大によるコーナリング性能の向上にもひと役買っている。ちなみに、これらのエクステリアパーツはリリース済みだ。
   
問い合わせ:リアルドリーム 埼玉県吉川市中曽根1-16-6 048-983-7000 ○ このページの先頭へ
  V-BOX徹底検証  
I&D・・・・・・・・・1分01秒686
ラスティ・・・・・・・1分01秒758
カザマオート・・・・・1分02秒951
  3台の走りをデータで比較
各車のよさと改善ポイントがあきらかに  
I&Dはコーナリングがとても安定しているのが印象的ですね。線グラフを見てもらえばわかるのですが、コーナリング中のラインがほとんど乱れていない。これはアクセルを一定に保ったままで走れているということで、とくに最終コーナー(11)でその安定感がハッキリ出ています。これだけ安定したドライビングができればドライバーへの負担も小さくなるわけで、そのへんも今回トップタイムを出した要因のひとつだと思いますよ。つぎにラスティーですが、クルマ全体のレベルとしては、I&Dとくらべてもそん色ないですね。あえて言うなら、1コーナー(3)でアクセルを踏み込むタイミングが遅れていること。線グラフを比較してみると、I&Dよりもスピードが落ちているのがわかると思います。ちなみに、最終コーナー(11)でのアクセルワークが乱れているのは、たぶん前のクルマを抜くためにアクセルのオンオフを繰り返したからでしょう。タラレバの話になってしまいますが、ほかの部分でI&Dと大きな差がなかっただけに、オールクリアだったらひょっとしたかもしれませんね。そして最後にカザマオート。コーナリングスピードは、2台に遅れを取っていますね。ストリートでの乗り味も考えた足まわりということで、踏ん張りがきかないのでしょう。でも、コーナー立ち上がりからトップスピードに達するまでの加速力は、すばらしいと思います。たとえば2ヘア(8)をまわっているときの速度はいちばん遅いのですが、裏ストレートでの最高速(10)はトップになっている。それだけ低回転からの伸びがいいってことでしょうね。エンジン特性としては、いちばん筑波にあっていると思いますよ。(V‐BOX・中野)
  59秒マシンとのちがいとは?
I&D JZX100vsフィーストFD3S  
JZXが59秒台に突入するには、なにが足りないのか?その原因を探るべく、以前ターザンのドライブで59秒698をマークしているフィーストのFD3Sと、今回トップタイムのI&D JZX100をV-BOXデータで比較してみた。すると、とくに大きなちがいとなるポイントを発見!それがダンロップ先の左コーナー。I&Dをはじめ、今回アタックした3台はすべてアクセルを戻しているのに対し、FD3Sはアクセルを踏み込んだまま。このポイントを改善すれば、59秒台への道はイッキに開ける!?
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私的総括 ターザン山田 JZX100
作りかた次第で楽しくも速くもなるそのことを思い知らされたね
JZX100って、やっぱり4ドアセダンとしてのイメージが強かったから、乗るまでは「なんだかんだ言っても4ドアセダンなんだろうな」って思ってた。というか、いままでタイムアタックっていうと、ランエボやFD3S、シルビアが多かったから、別の世界のクルマって考えてたんだよね。でも、今回乗ってみて考えかたが変わったよ。パワーはあるしコーナリングスピードだってけっこう速い。タイムだって、今回のようなアタックに適していない条件でも1分1秒台だからね。最近じゃ、1分切りが当然みたいになっているけど、このタイムだってスゴイこと。それに、今回乗ったクルマはあとほんの少しで59秒台をねらえるレベルにある。もちろん、勝つためには軽さに勝る2ドアクーペが絶対ではあるんだけど、4ドアセダンでも作りかた次第で楽しく、そして速くなるクルマなんだってことを思い知らされたよ。
問い合わせ:リアルドリーム 埼玉県吉川市中曽根1-16-6 048-983-7000 ○ このページの先頭へ