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毎週チェックでニューEVC情報を先取り!
ブーストコントローラーの代名詞的存在、HKSのEVCが2006年11月に5代目へと進化する。当然、これはまだ未発表のことであり、どの媒体にも掲載されていない。そんななか、JDM-OPTIONではイチ早く先取り情報をキャッチ! 1週間ごとにNEW EVCのポイントを暴いていき、4週目にその全貌を明らかにしよう。というわけで、見逃さずに毎週チェックされたし!!

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 ターボ車の純正ブースト圧は、一般的に余裕を持たされた低い設定になっている。これは、燃費の悪化を防いだり、エンジンを壊さないための安全マージンを得るための策。だから、速さやパワーを求めたいときには、これがあしかせとなり、エンジン本来の性能を押さえ込んでいる状態にある。つまり、もっとパワーを出せるエンジンなのに、あえてパワーを抑えているってこと。なんとも、もったいない話しじゃありませんか。
 そこで、そのブースト圧を高めてやることで、エンジン本来のパワーを引き出すために行うチューニングがブーストアップ。そのブーストアップに必要なアイテムとなるのが、「ブーストコントローラー」というわけだ。
 ちなみに、S15シルビアを例にあげると、ノーマルブースト圧の0.7kg/cm2だと約250psだったのに対し、ブースト圧を1.0 kg/cm2まで上げると290psにパワーアップしたというデータがある。このように、ブーストコントローラーを使ってブースト圧を高め、そして制御してやることで、手軽にパワーを上げられるってわけ。ただし、車種やエンジンの仕様にもよるけど、ブースト圧を純正値以上に高くする場合、同時にコンピューターチューンも必要になるケースがあるので、ブーストアップを行うときは、経験豊富なショップに相談するようにしよう。
 ところで、ブーストコントローラーを使う目的は、ブーストアップ以外にもあるのを知っているかな? ブーストコントローラーには、ブースト圧の立ち上がりを鋭くしたり、ブースト圧を安定させる役割もある。ピークパワーは上げられなくても、アクセルに対するレスポンスやフィーリングを良くすることもできるってことだ。それが、ブーストコントローラーの役割なのだ。




 ブーストコントローラーとひとことで言っても、各メーカーからさまざまなタイプがリリースされている。では、ブーストコントローラーの代名詞と言われるEVCの魅力はなんなのか? そのいち番のポイントになるのが、ブースト圧をコントロールするバルブユニットに、ステッピングモーターを採用していることだ。
 このステッピングモーターとは、簡単に説明すると、モーターに取り付けられたドリルのようなものが回転することで細い通路を流れるエアをコントロールし、ブースト圧を制御する仕組みになっている。言い換えれば、一般的なブーストコントローラーは、ソレノイドバルブがバルブの開閉でブーストを制御する機械式なのに対し、ステッピングモーターは電気式。そのため、ソレノイドバルブでは難しいと言われる、アクセルがパーシャル域でのブースト圧制御に優れ、ブースト圧をより安定させることもできるのが特徴。
 ソレノイドバルブにくらべて、ブースト圧をより細かく制御できることこそ、EVCがデビュー以来、圧倒的な支持を得る理由なのである。

NAエンジンにはない、ターボエンジンの魅力といえば、過給によって排気量以上のパワーを引き出せること。そして、ブーストコントローラーを使ってブーストアップすることで、手軽にモアパワーを手に入れられることにある。

タービンは、排気ガスをバイパスさせることでブースト圧がそれ以上あがらないようになっており、そのバイパスさせるためのバルブの開閉を担っているのが、アクチュエーターやウエストゲート。それをコントロールするのが、ブーストコントローラーというわけ。

ブーストコントローラーを装着することで、ノーマルでは低かったブースト圧を任意に変更可能。エンジンの耐久性にもよるが、ブースト圧を高く設定することで100ps以上もパワーアップする車種もある。ちなみに、このブーストコントローラーは4代目のEVC。

EVCの魅力のひとつが、ブースト圧をコントロールするバルブユニットにある。一般的なバルブユニットにはソレノイドバルブが採用されているが、HKSは初代EVCから現行型まで一貫してステッピングモーターにこだわる。これは、ブースト圧の安定性を狙ってのことだ。
 HKSは、もともとボルトオンターボの開発から始まったメーカーということもあり、自他共に認める「ターボのHKS」だった。そのため、ターボ車でパワーを手軽に引き上げるためのアイテム、ブーストコントローラーを開発するのは必然的なことだったと言える。
 そして1987年、ステッピングモーターを採用した「世界初の電気式ブーストコントローラーEVC」が誕生した。
 その後、液晶モニター付きの2代目、操作性の向上をねらいボリューム式のスイッチを採用した3代目と進化。そして、より精度の高いブースト圧制御を行えるように、マップによる補正を可能にしたProモデルの登場で、自由なブースト圧制御が可能となった。
 ところが進化は止まらない。モニターの表示をさらに見やすくするために、モニターとコントロールユニットを分割式にした現行型となる4代目へと移行。その間にも、ブーストコントロールに必要な機能を凝縮したEZモデルや、HKS 30周年記念モデル、ブラックリミテッドなどもリリースしている。
 というように、1987年に登場した初代モデル以来、確実に進化を遂げてきたわけだけど、ついに2006年11月に5代目が登場する。4代目がベースではあるが、新機能を盛り込み、さらなる進化を遂げた5代目。その全貌は、次週(10月3日)を待て!
初代モデル

世界で初めて電気式によるコントロールを可能とした初代EVCは1987年のデビュー。それまでの機械式では、4速や5速といった負荷の高い領域に合わせると、1~3速の低負荷時でブースト圧が上がりきらないなど、高負荷時と低負荷時でのブースト圧の差が大きいなどの問題があったが、EVCの登場により、負荷に関係なく目標のブースト圧に近づけられるようになった。
2代目&3代目モデル

2代目では液晶モニターが備わり、ブースト圧が表示できるようになったほか、スクランブルやワーニング機能も装備。その後、3代目ではスイッチ類をボリューム式に変更し、操作性能の向上を実現。また、新たに自動調整(オートアジャスト)機能も追加された。なお、3代目は途中のマイナーチェンジにより、ピークホールド機能も追加されている。


Proモデル

3代目をベースに、エンジン回転数もしくは車速、それとスロットル開度を軸としたマップでの補正を可能にしたProモデル。これにより、たとえばゼロヨンでは、車速の低い領域ではブースト圧を抑えてホイールスピンを防ぎ、車速がのったところでブーストを上げるなど、より精度の高いブースト制御が可能に。また、意図的にオーバーシュートを作り出すこともできるようになった。
4代目モデル

モニターを見やすく、さらにコンパクトにするために、モニター、コントロールユニット、バルブユニットの3部構成とした4代目。バルブユニットも、3代目から構造変更されている。また、同時に4代目のモニター部をなくしてブースト制御に最低限必要なものをセットにしたEVC EZIIや、ゴールドカラーのHKS創業30周年記念モデル、ブラックボディでディスプレイを白黒反転させたブラックリミテッドもリリース。

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