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登場と同時に、スタイリングや使い勝手のよさから爆発的なヒットを呼んだホンダのフィット。マイナーチェンジ後はマニュアル仕様も設定され、それこそ老若男女を問わない人気車種となっている。しかし、コンパクトカーならではの非力さには、ストレスを感じているオーナーも多いはず。そこでHKSがフィット用のボルトオンターボキットを開発。フィットをターボにすると、どんなものなのか?  パワー、加速力、燃費について、NA(吸排気チューン)との比較テストを行いつつ、その仕上がりをチェックしてみよう。


ボルトオンターボ仕様は
ノーマルに対して約35psアップ!!

 まずテストしたのは「ターボにすることで何馬力上がるのか?」という、いちばん気になる数値によるデータ。計測にはシャーシダイナモを使用した。なお、ノーマル(吸排気チューン仕様)もボルトオンターボ仕様も、ATはCVTのため直結となるギヤがわからず、計測担当者の話によると「おそらく5速がギヤ比1.000に近いだろう」ということだったが、5速ではスピードリミッターが入ってしまうため4速で計測している。
 そして、その結果はというと、吸排気チューン仕様のパワー120.5ps、トルク14.9kg-mに対し、ボルトオンターボ仕様(ブースト圧0.3kg/cm2)はパワー154.9ps、トルク19.1kg-mをマーク!!  パワー、トルクともに約30%も向上した計算だ。パワーもそうだが、このトルクの太さはターボならではの特権。これなら高速道路合流での加速力や坂道を登るときなど、コンパクトカー特有の非力さを解消してくれることだろう。
テスト車両はどちらも1.5ℓのAT(CVT)。赤いフィットがボルトオンターボ仕様で、黒いフィットがノーマル(吸排気チューン)だ。赤が前期、黒が後期となるが、どちらもマフラーは同じHKSのESプレミアムを装着している。
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黒線がノーマル、青線がボルトオンターボ仕様のパワーグラフ。ボルトオンターボ仕様はパワー、トルクともに2000rpmという低回転域から一気に伸びているのがわかる。30%の出力向上が、どれほど大きな差を生むかというのは明らかだ。
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ノーマル
(吸排気チューン仕様)

パワー:120.5ps
トルク:14.9kg-m

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ボルトオンターボ仕様

パワー:154.9ps
トルク:19.1kg-m

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ノーマルをグングン離す加速力
トップスピードも約10km/hアップ!!

 シャーシダイナモの計測で数値上の向上はわかったが、果たして実走でも差が出るものなのか。富士スピードウェイの長いストレートを使って、加速力の比較テストを行ってみた。
 テストは最終コーナーをゆっくり立ち上がり、ストレートで2台が約40km/hで並び、決められたポイントから同時にアクセルを全開にしてスタート。1コーナー手前のパナソニックブリッジでは、メーター読みによる最高速も計ってみた。
 結果は、ムービーを見てもらうと一目瞭然なのだが、アクセルを踏み込みブーストがかかるとボルトオンターボ仕様がノーマルをグングン離していく。これは低~中間加速でもターボが上まわっている証し。フィーリングとしてはターボラグもほとんどなく、排気量を上げたような感じだ。スタートからおよそ1000m後のパナソニックブリッジでは、2台の車間は約70~80m。最高速も10km/hアップを記録している。
加速力のちがいは、富士スピードウェイのストレートでチェック。約40km/hからノーマルとボルトオンターボ仕様、同時にアクセルを全開にし、加速力を比較するというもの。どれくらいの差があるのかは、ムービーでチェックだ。
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富士スピードウェイのホームストレートは、最長区間で1475m。今回のスタート地点からパナソニックブリッジまでは、おおよそ1000m強となる。計測距離がもっと長ければ、2台の車間距離および最高速の差はさらに広がっていたことだろう。

東名高速のクルージングで
ターボ車としては驚きの23.4km/Lを記録!!

 燃費テストのコースとして選んだのは、東名高速道路の海老名SAから牧之原SAの約164km区間。純校速度は基本的に80km/hとし、追い越し時には100km/hまで加速するという、一般走行に近いシチュエーションとした。なお、フィットには純正で燃費計が備えられているが、ボルトオンターボ装着車はF-CON iSを使って燃調補正しているために燃費計が正確ではなくなるためにガソリン満タン方式で計測。また、ボルトオンターボにすることでハイオク仕様となるため、ノーマルにもハイオクを入れている。
 その結果でまず驚かされたのが、ノーマルの31.8km/Lという数値。対するボルトオンターボ仕様は23.4km/L。吸排気チューン仕様の燃費がよすぎたぶん差は大きく感じるが、ターボ車でこの燃費なら、とくに気にならないレベルといえるだろう。シルビアなどでは、10km/Lもいけばいいほうなのだから‥‥。
2台はボルトオンターボ仕様が先行し、適度な車間距離を保ちながらノーマルが追従。追い越し時も、できるだけ2台同時に追い越すようにした。途中、工事作業により1車線規制などもあったが、とくに渋滞になることもなく、平均して80km/hで走行している。
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まず海老名SAでガソリンを給油口いっぱいにまで満タンにし、牧之原SAで同じように給油。吸排気チューン仕様が5.16リットル入ったのに対し、ボルトオンターボ仕様は7リットルだった。パワーが上がったぶんを考えれば、この差は気にならないオーナーも多いのではないだろうか。
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燃費テストは東名高速のクルージングで計測

 

ノーマルの燃費

31.8km/L

(給油量 5.16L)
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ボルトオンターボ仕様の
燃費

23.4km/L

(給油量 7L)
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手ごろな価格で手軽にパワーアップ コンパクトカーの弱点を解消!

価格:29万4000円
対応車種:GD3(AT/MT)
キット内容:T25タービン(60T A/R0.63)、アクチュエーターASSY、エキゾーストマニホールド(鋳物)、エクステンションパイプ、チャンバーパイプ(アルミバフ仕上げ)、サクションパイプ(アルミバフ仕上げ)、スーパーパワーフローリローデッド、F-CON iS(専用データ入り)、F-CONハーネス+通信ケーブル(OBDII)、その他ショートパーツ
HKSのフィット用ボルトオンターボ・フルキットは、ノーマルエンジン(L15A)対応の完全ポン付け仕様。T25タービンにはアクチュエーターがすでに備わっており、もちろん取り付けのためのパーツはすべて付属。専用データ入りのF-CON iSもセットになっているので、セッティング作業の必要もない。フルキットで30万円以下というプライスも魅力的だ。さらに、すでにF-CON(iS/V-Pro)ユーザー用のCPUなしボルトオンターボキット(21万円)や、インタークーラーなどのオプションパーツも設定。ニーズに合わせてラインナップを用意している。
   
ボルトオンターボを装着したエンジンルーム。フィットは横置きエンジンの後方排気となるため、タービンは覗き込まないと見ることができず、目立つのはムキ出しのエアクリーナーぐらい。ターボ化をアピールするには残念だが、さりげなさを目指すユーザーにはうってつけだ。
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タービンのサイズ的には余力あり

 

専用データ入りだからセッティング不要

キットに使用するT25タービンは、シルビアの純正タービンと同等のサイズ。パワー的にも250ps対応となるので、エンジン本体にも手を入れてハード仕様にする、というようなステップアップチューンにも最適だ。といっても、シャーシダイナモ計測や加速テストでわかるように、高回転型ではなく低~中回転域を重視した特性になっているので、街乗りでも扱いやすいのがポイント。
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フルキットに付属するサブコンピューターのF-CON iSには、HKSの手により最適なセッティングデータが入れられている。これによりポン付けが可能となっているのだ。もちろん、あとからデータを書き換えることもできるので、その点でもステップアップに対応しているといえる。なお、GD3は年式やミッション形式によりセッティングデータが異なるため、購入時は確認すること。
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ノーマルエンジンのまま オプションパーツ+ブーストアップで180psも可能!

Fitボルトオンターボ用インタークーラーキット
価格:9万4500円
HKSではL15Aエンジンの強度解析を行ったところ、200psでも問題ないことが判明。そこでオプションパーツとして用意するのが専用の前置きインタークーラーキットだ。これを装着し、ブースト圧を0.55kg/cm2まで上げてインジェクターも大容量タイプに交換、F-CON iSのリセッティングで、なんとパワー180ps、トルク24.4kg-mまで出力が向上する。さらに触媒なしの状態で計測したところ、200ps/25.8kg-mというデータも取れており、サーキットユーザーにも対応することを証明している。
前置きインタークーラーにより、パワーもルックスも迫力アップ。ブーストアップの180ps仕様でも油温、水温ともに異常はなく、L15Aの素性のよさも確認済みだ。ただし、サーキットを走行するのであれば、オプションのオイルクーラー(6万3000円)の装着を推奨している。
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黒線がノーマル(吸排気チューン仕様)、赤線が前置きインタークーラー+ブーストアップ仕様、点線が触媒レスのデータ。パワー、トルクともに大きく向上しているのはもちろんだが、ブーストアップ仕様でも低回転域を犠牲にしていないところに注目したい。
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チューニングしていく上で、エンジンパーツのなかでいちばん最初に強度不足となるのがコンロッド。HKSではコンロッドの強度解析を行い、200psでも問題がないというデータを取っている。L15Aエンジンは耐久性が高く、チューニング向きのエンジンといえるのだ。
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