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日産 スカイライン 350GT From JDM-OPTION [2007.01]
気になる新型車の実力チェック! 試乗レポート
日産スカイライン 350GT タイプSP バージョンS PART3
NISSAN SKYLINE 350GT Type SP
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個性的な走りでなにが悪い!?
 そんなスカイラインの走りには、予想外がふたつあった。まずひとつは車体の動きの軽さ。こんなに敏感でいいの!?っていうくらいステアリングはシャープ&クイックでビックリだ。車重は1600kg(350GTタイプSP)と決して軽くないし、鼻先には重い6気筒エンジンを積んでいるのに、コーナー進入での動きの向きの変え方はまるで研いだばかりのナイフかサスペンションをいじったシルビアのようだ。いいか悪いかは別問題として、クイックな動きに関してはレクサスISもBMWにも、勝ち目はないだろう。
 そしてもうひとつは、コーナリング中のラインのトレース性で、まるで「オン・ザ・レール」感覚の見本のよう。進入で姿勢を整えたあとは、コーナーに見合うだけのステアリング切り角さえ保っておけば、クルマがアウト側にはらむことなく旋回してくれる。
 というか、はっきりいえばスカイラインのコーナリングの動きは違和感すら覚えるほど不自然だ。普通ならこうなるだろうな‥‥という予想をあっさり裏切る挙動をすることがあって、かなり強い個性になっている。そういえばこんな個性の強いクルマあったよな‥‥と、おもわず過去のランエボを連想してしまったほど。
 なんでランエボかっていうと、ランエボと新しいスカイラインの共通点はハンドリングが人工的だってこと。ランエボがAYCなどで作り出している感覚を、スカイラインは4輪アクティブステアで作り出しているのだ。
 まるでカートのようなクイックさや切り返しでお尻が外にはらむ感じなどに違和感はあるけれど、限界自体が高いのは間違いないのもランエボと同じ。そしてきっと、ランエボの走りに好き嫌いがあるように、好き嫌いが別れるのも同じだろう。けれど、そんな違和感がスカイラインの「味」や「個性」として特徴となっているのは間違いない(ちなみに4輪アクティブステア未装着車はもっと個性が薄くて素直な味付け)。いやなひとはまったく受け入れられないけど、気に入ってしまえばとことん惚れるような、マニアックなハンドリングだ。
 大型セダンだけどコンパクトカーのようにキビキビと走りたいひと、個性的な走りが好きなひと、そして走るだけで元気が出てくるようなラテンな感覚が好きなひとならきっと気に入るにちがいない。繰り返すようだけど、手軽に味わえるスポーティさと、走りのポテンシャルの高さは確実だ。
 ただ、本気で走り込みたいひとやチューニングを進めようと考えているひとにとっては、4輪アクティブステアは不要だと思う。
 ちなみに、スカイラインとコマーシャルのキャラクターであるイチローや渡辺謙との共通点は、日本で生まれてアメリカで大活躍していること(スカイラインはアメリカで日本の何倍も売れている)。余談だけど、インフィニティG35と呼ばれるアメリカ仕様は、もっとクイックなハンドリングにしてあるらしい。
インパネは、モニターを見やすい場所に置いたT字型デザイン。メータークラスターは、ドライバーの体格にあわせて上下に調整することができる。高級車に流行中のアナログ時計も採用。 エンジンの中心をフロント車軸よりも後退させたフロントミッドシップ。ボディ剛性向上のためにバルクヘッドとホイールハウスの間に“隔壁”があり、重量バランス適正化のため、バッテリーはその中に搭載。
アルミにラバーコーティングを施したスポーツペダルが足元をコーディネイト。見た目もクールだ。アクセルペダルは、支点が床にある、いわゆるオルガンタイプを採用している。 電子制御により車両の安定性を高める「VDC」を標準装備する350GTタイプSPだが、手元のスイッチで解除することも可能。ちなみに、350GTのタイプS系は専用のチューンドサスを採用。
試乗レポーター工藤ちゃんの総括
スカイライン 350GTの○と×
○
スカイラインの名前を
消滅させなかったのはエライ! ×
アメリカ人好み(らしい)の
デザインは微妙なところ‥‥
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