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ミツビシ ランサーエボリューションIX MR GSR From JDM-OPTION [2006.10]
気になる新型車の実力チェック!
試乗レポート
ミツビシ
ランサーエボリューションIX MR GSR
MITSUBISHI LANCER EvolutionIX MR GSR
SPECFICATIONS
エンジン:2リッターDOHC16バルブMIVECターボ(206kW[280ps]/6500rpm)
駆動方式:4WD
トランスミッション:6速MT
全長×全幅×全高:4490mm×1770mm×1440mm
車両重量:1420kg
価格:362万2500円

4G63エンジンのランエボはこれで最後!
エンジンも足も磨きがかかった最終仕様
MITSUBISHI公式サイト
ムービーレポート
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ついに最終スペックとなった名機4G63エンジン
 「最新のポルシェが最良のポルシェ」なんていうひとがときどきいるけれど、そんな言葉を借りるなら「やっぱり最新のランエボは最良のランエボ」だ。もちろん最新のランエボといえば、ランサーエボリューション9MRのこと(2006年10月現在)。
 ランエボIX MRの最大の話題はやっぱり、CT9A型ボディを使った最後のランエボであること、そして4G63エンジンを搭載する最後のランエボだということ。1992年9月に登場した初代ランエボから14年もパートナーを続けてきた4G63とランエボの関係も、ついに終止符といわれると4G63ファンならずともどこか寂しさを感じる。三菱だってそんなことは百も承知で、ランエボ9MRに搭載するために4G63エンジンをさらに進化させてきた。ランエボIX MRの4G63エンジンは、事実上の最終進化形。究極のスペックなのだ。
 4G63エンジンの最終進化形を作るにあたり、開発陣が目指したのは「ドライバーが求めるパワーとトルクをこれまで以上に瞬時に生み出すこと」なんだとか。つまり、レスポンス! ランエボ9MRに搭載する4G63エンジンに施された改良は、すべてレスポンスを高めるためだ。
 そもそも4G63エンジンは、ロングストローク設計による低速からの太いトルクには定評があった。そして、繰り返しおこなわれてきた改良により高回転でのパンチ力も強い、鉄人エンジン。最近のスーパー耐久レースではインプレッサがランエボに勝てない状況が続いているが、とあるインプレッサに乗るドライバーが「ランエボの太い低速のトルクと高回転のパンチが勝利に効いている」と口にしていたほどだ。
 レスポンスアップを実現するためにリファインされた部分は、MIVEC(マイベック)とタービン。バルブの開閉タイミングを連続的に可変させエンジンの効率を高めるMIVECは、中高速、高負荷領域でのバルブタイミングを最適化してレスポンスを向上。また、アクセルオフでの空燃比の最適化により、高回転からの“回転落ち”のフィーリングをよくし、アクセルオンだけでなくアクセルオフ時もダイレクトなレスポンスを実現しているのだ。
 エンジンのレスポンスに直結するターボチャージャーも、軽量なチタンアルミ合金製のタービンホイールをアルミ合金製のコンプレッサーホイールと組み合わせたタービンを新採用。加えて、コンプレッサーホイール入口径を狭くしたりウェストゲート(アクチュエーター)の制御を最適化することでも、過給レスポンスを高めている。そうそう、スペックには現れにくいこんな改良こそがクルマを進化させていくんだよね。
 6500rpmで発生する280psのピークパワー、そして3000rpmで発生するトルク40.8kgmというスペックだけを見ると、先代にあたるランエボIXからの進化は確認できない。しかし、目に見えない「レスポンスの向上」という、ドライビングに対して重要なファクターで4G63の最後の花道を飾っているのだ。
最終進化形となり、レスポンスの鋭さが増した4G63エンジン。280ps/6500rpmそして40.8kgm/3000回転というスペックはランエボIXと変わらないが、エボIX MRに搭載するにあたりさらなるリファインが施され戦闘力がアップした。 エンジン回転数や負荷に応じて吸気バルブの開閉タイミングを連続的に可変するMIVEC(マイベック)は、中高速・高負荷領域とアクセルオフでの空燃比を最適化。理由は、アクセル操作に対するダイレクト感をより高めるためだ。
タービンは、チタンアルミ製のタービンホイールとアルミ合金製のコンプレッサーホイールとの組み合わせに変更。 コンプレッサ
入り口径縮小 タービンコンプレッサー入り口の径を絞り、レスポンスアップを狙っている。ウェストゲート制御も改め、過給の立ち上がりもいっそう向上。
インパネは、エボIXからの大きな変更点はない。ただ、GSRのインパネセンターパネルはピアノブラック仕上げになっている。 中央にレイアウトしたレブカウンターは9000rpmまで表示され、7000rpmからがレッドゾーン。向かって左側のスピードメーターは、270km/hまで目盛りが刻まれている。
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