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Nagisa Auto LANCER Evolution VIII MR[CT9A] From OPTION[2006.05]
セントラルサーキットで
1分24秒台をマーク。
ブーストアップ仕様でも
その速さは折り紙つきだ。
Nagisa Auto
LANCER Evolution XIII MR[CT9A]
2Lエンジンを搭載しながら、速さでは3Lクラスのマシンに対して一歩も引けを取らないランサーエボリューションVIII MR。たとえハードなチューニングを行わなくても、意図的におさえこまれたパワーを解放してやるだけで、じゅうぶんすぎるほどのパフォーマンスを見せてくれる。スペシャルパーツをいっさい使わないナギサオートのCT9Aは、その代表的なマシンといえるのだ。
 関西最速との呼び名が高いシルバーのBNR34を擁し、サーキットでのタイムアタックを精力的に行っているナギサオートがはじめて手がけたランエボ。それがココで紹介するCT9Aだ。
 まずはCT9Aのポテンシャルをさぐるため、エンジンは補機類のみに手をくわえたブーストアップ仕様とされている。どうしてもBNR34のイメージが強いから、ずいぶんとおとなしい印象を受けるけど、それでもブースト圧1.8kg/cm²時に380psを発揮。4G63が持つチューニング適応力の高さもわかるってもんだ。
「まずユーザーが身近にかんじてくれるチューニングからはじめたかったんですわ。いきなりタイムねらいのフルチューンじゃ、みんな引いてまうでしょ」とナギサオート代表の杉原サンはいう。
 いっぽうで、エンジンチューンがおさえられてるかわりに…といってはなんだけど、足まわりにほどこされたチューニングメニューには見どころが満載。ダンパーユニットはタナベの最新作サステックプロセブンに、減衰力を自動で調整してくれるTEASという組みあわせ。つねに路面状況にマッチした減衰力特性がえられ、街乗りからサーキットでの全開アタックまでオールラウンドにこなせるってワケだ。
 また、このCT9Aはデモカーであると同時に開発車両としての役目もあたえられているため、オリジナルのNAMSブランドで展開している“ふんばりアーム”シリーズがフルで装着される。コーナリング性能アップをねらって開発されたアーム類は、まずロワアームをフロント15mm、リヤ10mm延長してワイドトレッド化を実現。純正フェンダーでもツメ折り加工さえ行えば8Jオフセット+33前後のホイールまで装着可能だ。さらにキャンバー角とトーの調整範囲をイッキに拡大でき、ロールセンターアジャスト機構も盛りこまれるなど、サーキットユーザーをターゲットとしたつくりが、いかにもナギサオートらしい。
 パワーはそこそこにおさえて、足まわりで速さをかせぐ。今後エンジンチューンの本格化とともに、どんなふうにバケていくのかが楽しみな1台だ。
封印されたパワーを解き放つナギサオート流のメイキング
ENGINE & POWERTRAIN SPEC
4G63改380ps仕様(最大ブースト圧1.8kg/cm²) HKSパワーフロー、レーシングサクション、GTインタークーラー/トラストブローオフバルブ/NAMSフルチタンFパイプ/タナベウルトラメダリオン(メイン80φ テール100φ)/クールマックスアルミ3層ラジエター /NAMSオイルクーラー×2、高流量燃料ポンプ×2/SaRD 800ccインジェクター×4、レギュレーター/アペックスパワーFC(Dジェトロ)、AVC-R/チルトンミッションクーラー、デフオイルクーラー/エクセディカーボンツインプレートクラッチ/クスコLSD
ターボチャージャー
純正タービンは、タービンホイールにチタンアルミ合金を採用したTD05HRA-16G型。RSの5速MTモデルはリストリクター(吸気制限装置)が装着されるラリー競技を想定した設計のため、GSRやRSの6速MTモデルよりもトリムがちいさく、タービン特性はそのぶん低速トルク型になっている。
インタークーラー
フィン形状の見直しで冷却性能を維持しながら、従来品に対して10%の軽量化を達成したHKSインタークーラーGTタイプを装着。オーバーハング部の軽量化によってハンドリング性能の向上にも貢献してくれる。
デフオイルクーラー
デフキャリアのうしろにセットされたチルトンのデフオイルクーラー。奥に見えるのがオイルを循環させるためのポンプだ。これでデフオイルの油温上昇をふせぎ、サーキットの連続アタックでも安定したLSDの効きをキープしている。
エキゾーストマフラー
内部構造の見直しとかぎりなくストレート形状とされたメインパイプによって、排気効率を徹底的に追求したタナベウルトラメダリオン。サイレンサー部にはチタン材を採用するなど、軽さにもこだわったパーツだ。
INTERIOR SPEC
ナルディ350φステアリング/どっとこむクイックリリースステアリングボス/NAMSボススペーサー/レカロSP-G×2/NAMSぺったんこシートレール/サベルト4点式シートベルト/マックスレーシングマルチメーター/アペックスブースト計/セーフティ21 11点式ロールケージ
インパネまわり
ダッシュパネル中央にマックスレーシングのマルチメーターをセットして車両情報を集中管理。追加メーターとして装着されるのは、ステアリングコラム上のアペックスブースト計くらいだ。ノーマルに最小限の手直しをくわえただけのシンプルなつくりといってイイ。
ボディ補強&軽量化
ボディ補強は最低限で、セーフティ21ロールケージとNAMSがっちりサポート、オクヤマタワーバーが装着されるていど。いっぽうC-WESTのカーボンボンネットやトランク、マルシェFRPリヤドアなど、ボディパネルの交換で軽量化が図られている。
サスアーム類をオリジナル品に交換 セッティングの幅広さが武器になる。
SUSPENSION & BRAKE SPEC
タナベサステックプロセブン、TEAS/スイフトスプリング(F16k R12k)、スタビライザー/NAMSふんばりアーム(ロールセンター調整式Fピロロワアーム、ピロタイロッドエンド/Rロワアーム、ピロトー調整ロッド、アッパーアームピロブッシュ、トレーリングアームピロブッシュ)、 ガッチリサポート/オクヤマタワーバー/FブレンボF50キャリパー+RDD 355φローター R純正キャリパー+RDDローター/制動屋SPLパッド/ステンメッシュホース

フロントサスペンション

リヤサスペンション
全長調整式のタナベサステックプロセブンに、走行状況に応じて自動的に減衰力を調整してくれるTEASをセット。サーキット走行を前提としているため、フロント16kg/mm、リヤ12kg/mmというバネレートを持ったかためのスプリングが組みあわされる。

フロント

リヤ
アーム類はNAMSふんばりアームシリーズに交換。ロワアームはロングスパン化が図られ、アライメントの調整幅も広い。さらにフロントはタイロッドエンドとともにロールセンター補正機能があたえられているため、車高ダウンにともなうデメリットも解消できる。
EXTERIOR SPEC
C-WESTカーボンボンネット、Fバンパースポイラー、カーボンカナード、Sステップ、カーボントランク、GTウイング、Rバンパースポイラー/FガレージHRS 20mmワイドフェンダー R NAMS 30mmワンオフワイドフェンダー/ マルシェFRP Rドア/NAMS LEDテールランプ/SSRタイプC RS(10.5J+15)/ディレッツァスポーツZ1(265/35-18)
フロントまわり
シーウエストのフロントバンパーにカーボンカナードが組みあわされ、フェンダーは片側20mmワイドのHRS製を装着。そこに収まるホイールは軽さに定評があるSSRタイプRS(10.5J+15)で、265/35-18サイズのディレッツァスポーツZ1がセットされる。
リヤまわり
片側30mmワイドに設計されたワンオフフェンダーがかもし出す迫力は相当なモノ。リヤコンビネーションランプはLED化が図られたNAMSのオリジナルパーツで、被視認性の向上だけでなくドレスアップ効果も期待できる。
取材協力:ナギサオート 大阪府池田市住吉2-14-18 072-762-4198 http://www.nagisa-auto.com/ ○ このページの先頭へ