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POWER ENTERPRISE CAMCON Fi CC-301 From OPTION2 [2007.05]
EJ20のAVCS+燃料の補正で
パワーとトルクを全域でアップする!
POWER ENTERPRISE CAMCON Fi CC-301
価格:5万6700円
対応車種:インプレッサGDB(A〜G)/GDA/GGA/GGB、フォレスターSG5
可変バルブタイミング機構であるAVCSを搭載した、スバルのEJ20ターボをもっと楽しくしてくれる、パワーエンタープライズのCAMCON Fiがついに製品化されたよ。今年はじめに東京オートサロンで参考出品されたバージョンから、見た目も機能もしっかりアップしての登場となっているので、開発中の記事を読んだひとも再チェックしてちょうだいな。
自分でのセッティングが楽しいコントローラー
水温表示機能もプラスされた!
 パワーエンタープライズの可変バルタイコントローラーシリーズ『カムコン』。すでにトヨタ車とホンダ車用のカムコンが発売されていて、その第3弾はスバル車用というわけだ。『カムコンFi CC-301』とネーミングされたコイツは、スバルのEJ20ターボに搭載されている連続可変バルブタイミング機構・AVCSを任意でコントロールできることがおもな機能。
 もともと高回転型であるEJ20は可変バルタイによって扱いやすさを生み出されているんだけど、ノーマルの制御ではまだ安全マージンや燃費が強く考慮されている状態。実際、パワーエンタープライズでAVCSのノーマルマップを調べたところ、もっと充填効率をアップできる部分があるのを確認したという。
 たとえば、低回転域のバルブタイミングを進角させれば、充填効率が改善されて低速トルクがアップするのに、あえておさえたセッティングとなっているそうだ。また、反対に高回転側では燃料が濃く、燃焼効率をロスしている部分もあるとのこと。どちらのケースもカムコンFiでの補正が可能だ。
 というのも、カムコンFiはバルタイを補正するだけでなく、さらに燃料補正機能を合わせ持つところも大きな特徴だからね。このふたつの補正によって、充填効率を高めトルクとパワーをより引き出すことが可能になるんだ。
 ちなみに、AVCSのコントロールは、機械的な部分はそのままに、ノーマルコンピューターを介して信号による補正を行っている。また、燃調はエアフロ補正によって簡易的にコントロールしているということだ。
 さて、バルタイ&燃調を手軽に変更できるのがカムコンの楽しいところでもあるんだけれど、パワーエンタープライズの小野さんによれば「ことEJ20の場合は燃調がシビアですから、燃料補正に関しては慎重に行ってください」とのこと。そこでパワーエンタープライズでは、ウェブサイト上で基本データを公開しているんだ。出荷状態ではこのデータは入っていないので、使うときにはユーザー自身がボタン操作で入力することになるよ。
 ボタン操作は+−のふたつで行うシンプルなもので、慣れればカンタン。AVCSの補正、燃料補正ともボタン操作で行い、500rpm刻みで行えるので、仕様に合わせたきめ細かいセッティングが可能だ。
 そうそう、今回の製品化にともなって、水温の表示機能もプラスされた。さらに、スバルっぽさを演出する本体のデザインも、スバルユーザーにはうれしいんじゃないかな。装着は、完全にカプラーオンで接続可能な専用ハーネスが付属しているのでカンタンだよ。
バルブタイミングの補正で
どのくらいの効果が体感できるか?
 気になるカムコンFiの効果は、GDB・F型ノーマル車のダイナパックによる計測で、最大トルクが約4kg-m、ピークパワーが約23 psアップしている。
 そして実際に走ってみたところ(ザンネンながら雨だったけどね)、低回転域でアクセルを踏み返したときの、クルマの反応の早さをバッチリ体感できたよ。ギヤを落とさなくてもスーッと前へ出る力強さがいい感じ。これは低速トルクがアップしている証拠でしょ。
 高いギヤを使って低速で走っているときに、カムコンオン/オフで比べてみると、やはり軽く踏み返したときのアクセルのつきがちがうんだよね。ノーマルではジワーッという感じの加速フィールで、反応するまでにややルーズさが見られたが、カムコンをオンにすると踏み返したとたん、クルマが前に出るんだ。
 ただ、アクセルをガツンと踏み込んでエンジン回転数が高くなった領域では、担当の人間側のセンサー(!?)が追いつかず、チョイ乗りで大きく体感できるほどの差ではなかったのが残念。
 でも、自分で毎日乗っているオーナーなら、わかるんじゃないかということだよ。というわけで、まだノーマルで+αが欲しいと思っているスバル車オーナーにもオススメのパーツだ。
左端がメインボタンで、本体機能のオン/オフと、AVCS補正、燃料補正、水温計のセレクトを行う。右側の+−のボタンでは、数値を決定してセッティング。 製品化にあたり、水温表示機能が追加された。リアルに水温を表示される機能は嬉しい限り。セッティングが決まったら、ふだんはこれが活躍しそう。
セッティングが決まったら、友だちにクルマを貸すときなどに、不用意にデータを変えられないようにディップスイッチでロックできる。ディップスイッチをオンにした状態でエンジンを停止、エンジンを再始動するとロックされる。 ノーマルコンピューターに割り込ませることで機能する、カムコンFiの専用ハーネス。取扱説明書どおりに抜き差しするだけのカプラーオンで接続は完了。
カムコンFiの効果をダイノパックでチェック
 GDBのF型でパワーチェックした結果はこのとおり。波形が示すようにカムコンFiが機能すると、トルクがアップするポイントが低回転側へと移行する。アクセルを軽く踏んだだけでクルマが前に進んでいくようになるのは、この低速トルクの改善によるもの。ちなみにC型の場合、F型と比較して波形のちがいがより顕著にあらわれるという。ノーマルのAVCS制御がF型とは異なっているからだ。
 なお、このときのAVCS補正データ、エアフロ補正データは別表のとおり。これらのデータはウェブ上で公開されるぞ。ノーマル、吸排気交換、ブーストアップといった仕様別データの公開も準備中だそうだ。
●バルタイ補正データ
●エアフロ補正データ
テストしたGDB・F型は、前置きインタークーラーが付いて、ラジエターとインタークーラーをVマウントにした仕様。ちなみにパワーチェックのときは、エアクリーナー、マフラー、コンピューターはノーマルで計測した。
問い合わせ:パワーエンタープライズ 0545-52-0123 http://www.power-enterprise.co.jp ○ このページの先頭へ