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TOMEI POWERED SR20DET用 EXPREME EXHAUST MANIFOLD
非等長構造でレスポンスアップ!?
街乗りで体感できる新発想エキマニ登場!
TOMI POWERD
SR200DET用
EXYTREME 
EXHAUST
MANIFOLD
価格
○5万9850円(税込み)
対応車種
○(R)PS13/S14/S15
『エキマニ=等長が最高性能』という常識に真っ向から挑んだ、東名パワードのSR20DET用“EXPREME(エクスプリーム) エキゾーストマニホールド”。頂点の性能よりも、レスポンスアップなど全域のバランスを重視して選ばれた“非等長エキマニ”のメリットについて探りを入れてみよう。
目指した性能は全域で純正エキマニを超えること
『東名パワードが“非等長”を採用した理由』を理解するために、まずはターボ車とNA車のエキマニのちがいについておさらいしてみよう。
 NA車の排気系はエキマニ⇒(触媒⇒)マフラーという構造であるのに対し、ターボ車はエキマニ⇒タービン⇒(アウトレット⇒フロントパイプ⇒触媒⇒)マフラーという流れ。
 ターボ車の場合はエキマニの直後に、エンジンの性能を大きく左右する“タービン”が存在している。そして、排気の圧力でタービンをまわして高出力を得ているので、排気の流れのスムーズさよりも、排気の圧力を効率よくタービンの回転に変えることのほうが場合によってはクルマの速さにつながるということなんだ。
“排気ガスの勢い”を保つには、等長に仕上げるために長くくねったパイピングを経由するより、各気筒の排気ができるだけ直接タービンに当てられるほうが、レスポンスに優れたエンジンに仕上がるというわけだ。
 排気干渉や非等長が優れていると考えるのではなく、いかに早くタービンの回転を立ち上げるか? という性能がひとつの大きな要素になっているわけだ。
 ちなみに、長いパイピングの等長エキマニは、安定度は高いものの“エキマニの長さや曲がりによる抵抗”によって、タービンがまわり始める中回転域やハーフアクセル時のレスポンス性に欠けるというわけだ。
 つまり、非等長を選んだ理由は“排気ガスの勢いが衰えないうちにタービンへ排気ガスを当てよう”ということ。この理論を元に、エンジンベンチでのテストを繰り返してみると、全回転域で純正エキマニを大きく上まわる性能を記録できたエキマニは、非等長タイプだけだったということだ。
 また、ハイパワーエンジンの高回転時の排気ガスの量“ふんづまり”にならないよう、パイプ径も42・7φと太くとり、じゅうぶんな容量を確保しているぞ。
 エンジンベンチでのテストでは、比較の基準となる“純正エキマニ”での出力特性を計測し、“等長エキマニ”と“東名パワードの非等長エキマニ”を比較。テストに使ったエンジンは2.2リットル化され、東名パワードのARMS B7652タービンを装着した仕様で計測をおこなっている。
 まずグラフを見てほしいんだけど、ピークの性能では等長エキマニが1番ではあるものの、6000rpm以下では非等長のほうがパワーもトルクも上。
 さらに両者を純正エキマニと比較すると、等長エキマニは5000rpm以上で初めて純正エキマニの性能を上まわることとなり“高回転の伸びはいいけど低回転のトルクは純正以下”というグラフ特性。特に街乗りで多用する3000rpm付近のトルク差は純正比でも歴然としており、街乗りを重視するひとにとっては、非等長や純正エキマニのほうが乗りやすいという結果が出てしまったのだ。
 つまり、サーキットユースがメインで、高回転のパワーだけを重視するなら等長エキマニの選択もあり。しかし、街乗りを重視するひとやドリフトなどアクセルのオン/オフが多いステージをターゲットにするなら、このエキマニのメリットは少なくないハズ。というわけで、東名パワードの非等長エキマニは、街乗り派が街中でも体感できて、初心者でも速く走れる低中回転の特性を重視した製品ってことなんだ。


車載状態でのエキマニの見栄えはこんな感じ。1、2番のパイピングが長く、やや上に突き出した感じのレイアウト。すべてのパイピングが1本物のため、焼けが入ってくると見た目もきれいだ。
 


黒いラインが比較基準となる純正エキマニで、赤いラインが東名パワードのEXPREME、紫のラインが試作の等長エキマニだ。様々な形状を作ってテストをおこなっていった結果、純正エキマニの性能を全回転域で超える形状は、EXPREMEが採用した“非等長タイプ”だったんだ。
  パイプレイアウトのイメージイラスト
■TOMEIエキマニ
パイプレイアウトを短くすることにより、タービンまでの距離が短くなりタービンレスポンスが良い
等長試作品
換気ボートからすぐに垂直に立ち上がり、タービンまでの距離も長くタービンレスポンスに劣る

エンジンから排出された排ガスが直接タービンの羽根に当たるためには、エキマニのパイピングが短く、曲げは少ないほうがいい。このため、排ガスの勢いが弱い低〜中回転域では、パイピングを長くして等長にしたエキマニだと、不利になってしまうんだ。
     
純正タービンと同じ位置にレイアウトするため、1、2番が長く、3、4番が短い作り。また、集合部は必ず上から下に集合させ、可能な限り排気干渉を排除している。 細かい曲げができるベンダーを導入し、すべて1本物のパイピングで製作。さらにエンジンのフランジとタービンのフランジ部には補強板が取り付けられ、振動によるパイピング割れが起こらないようにしてあるそうだ。
   
内部には仕切板があり、1、4番と2、3番の排気ポートを先に集合させる4‐2‐1構造を採用。点火順に右上の1番、左下の3番、右下の4番、左上の2番というように、クロスしながら排気ガスが流れていくように設計。ここでも排気干渉を徹底的におさえているんだ。 (R)PS13のSR20DETについているEAI(排ガスをきれいにする装置)の取り付けもできるレイアウトを採用。EAIの取り付けを逆さにし、専用のアウトレットを使うことで車検にもキッチリ対応できる作りになっているんだ。
   
   
レスポンスのちがいが 体感できるエキマニですよ!! 東名パワード
三原さん


「とにかくこのエキマニで、アクセルレスポンスのよさを体感してほしいです。モサッとした感じがなくなって、タービンがヒュンヒュンまわりますよ。細かいアクセルワークが必要で、しかも中回転域のトルクが必要なドリフトでは、絶対にこういったエキマニのほうが乗りやすいと思います。また、メタルガスケットや、ボルト類やバンテージも付属して、できる限り価格もおさえました。ぜひ、多くのひとに使って貰えれば‥‥と思っています」
 
 
 
問い合わせ:東名パワード 042-795-8411 http://www.tomei-p.co.jp   ○ このページの先頭へ