Z33&V35サーキットスタイル図鑑 TOP > web マガジン > 特集 バックナンバー > サーキットスタイル図鑑
AUTECH TSUKADA

Power House amuse

NISMO

TOMEI POWERED

Yashio Factory

Central20

NISMO Cars Factory ZELE

Sun Line Racing

I&D

ULTIMATE

AUTO PRODUCE BOSS

Matchless Crowd Racing
Z33&V35 サーキットスタイル図鑑
富士にこだまする乾いたエギゾーストノート VQ35NAチューンの扉がいま大きく開く!
3年ぶりに富士スピードウェイを舞台として開催されたニスモフェスティバル。なかでもOPTがもっとも注目していたイベントはGT-Rとシルビアに代えて今回からZ33とV35で争われることになった“チューニングカーバトル”だ。これまでも、ことあるごとにVQ35のチューニング情報は伝えてきたけどレギュレーションにあわせてつくりあげられた12台のZ33とV35が同一条件のもとで速さを競いあうというのは、いままでにはなかった試み。サーキットにこれだけの台数がそろうのはコレが初めてということになる。ところが当日、なんとスタート前に雪が降りはじめるというハプニングが! けっきょく決勝レースに代えてパレードランを行うにとどまったのが心残りだけど
今回の特集では各ショップが手がけた究極のNAチューンドVQ35をはじめサーキット走行まで見すえたそのマシンメイクに迫ってみたいと思う。
ムービーレポート
[予選ダイジェスト]
[決勝ダイジェスト]
[レギュレーション・外装]
[レギュレーション・内装]
[レギュレーション・エンジン]
AUTECH TSUKADA
速さのカギは吸気系&足まわりチューンにあり  なんとS耐マシンに迫る1分54秒台をマーク!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモスペック2ヘッド、スペック2カムシャフト、チタンバルブ、0.7mm厚ヘッドガスケット、鍛造ピストン、コンロッド、クランクシャフト、燃料ポンプ、インジェクター/HKSパワーフロー/オリジナルサクションパイプ/インフィニティQ45スロットル/純正サージタンク+エスプリスペーサー/TOMEIエキマニ/アミューズR1チタンマフラー/ATSカーボンツインクラッチ、カーボンLSD
■サスペンション&ブレーキ
ATTKD仙脚(F16k R14k)/M35用Fアッパーアーム/ATTKD Fピロロワアーム、Rロワアーム、サスペンションリンクカラー/Rニスモスタビライザー/エンドレスキャリパー(F6ポット R4ポット)、ローター、NA-Rパッド
■ホイール&タイヤ
FレイズTE37(9.5J+12) RレイズCE28(9.5J+15)/アドバンA048(255/40-17)
■インテリア&エクステリア
レカロSP-G/テクトム水温計/イングスフルエアロ(フロントバンパー/サイドステップ/リヤバンパー/ボンネット、リヤウイング)
各地にちりばめられたATTKD流メイク
 2002年に改修前の富士スピードウェイで行われた最後のニスモフェスティバル“チューナーズバトル”をBNR32のデモカーで制したオーテックツカダが、Z33でもその底力&速さをまざまざと見せてくれた。
 まず注目したいのがエンジンチューンだ。組まれるパーツのほとんどはほかのZ33とおなじニスモ製ながら、電制スロットルをキャンセルしてニッサン車チューンの定番インフィニティスロットルを使っているのが、いかにもオーテックツカダらしいところ。
 「純正スロットルはアクセルオフ時に一瞬遅れてエンブレが入るんだけど、それがイヤでさぁ。でも、オレんちじゃ純正コンピューターイジれないから、どうにもならないワケよ。だったらワイヤー式スロットルにしてVプロ制御のほうがラク。エアフロレスにもできちゃうしさ」というのは店長たかみっちゃん。
 そこには、これまで数えきれないほどのGT-RにほどこしてきたATTKD Vプロエアフロレスシステムのノウハウがいかされている。ちなみに、燃調&点火時期の制御をはじめ、スピードリミッターカットとレブリミット引きあげまでをVプロが担当。VQ35チューンでポイントとなるVTC制御は、アミューズハイテックROMが担当するといったスンポーだ。
 いっぽう、足まわりも大きな見どころといえる。オリジナル車高調 仙脚 はリヤのコイルオーバー化が図られ、直巻スプリングの使用によってセッティング幅をイッキに拡大。これで、とくにコーナリングにおけるリヤの安定感を大幅に向上させている。
 ドライバーの木下選手いわく「クルマ全体のバランスがすごくイイ。パフォーマンス的にはS耐マシンとGT300の間くらいにあると思うよ」。的確にして、しかもじつに明快なそのコメントから、オーテックツカダZ33の完成度がよくわかるってものだ。
サージタンクは純正加工
純正サージタンクにエスプリのスペーサーをかませて容量アップ。ファンネル周辺の段つき修正や拡大加工を徹底することで、アニバーサリー用を上まわるほどの高回転高出力型エンジンに仕上げている。レブリミットは8000rpmだ。
リニアなレスポンスを実現
サージタンク側を加工して装着されたインフィニティスロットル。これで、バタフライ径は純正スロットルの70φに対して80φとなり、面積比では30%以上も拡大。エアフロレス化やサージタンク加工と相まって大幅な吸気効率アップを達成している。
走行風を効果的に取り入れる
バンパーに穴開け加工をほどこし、エアクリーナーボックスへとダイレクトに走行風を導くダクトを製作。たかみっちゃんいわく「ひょっとしたら高速域ではラムエア効果が期待できるかもね」とのこと。
たび重なるテストを経て完成
コイルオーバー化が図られたリヤサス。ATTKD仙脚は、オールラウンドな性能を発揮する車高調だけど、このZ33では完全なサーキット仕様とされている。別タンク式もテストしたそうで、けっきょく最終的には別タンクなしのベーシックなタイプが選ばれた。
シャシー面をフラット化
助手席ドアの下あたりからうしろをのぞきこんむとこんなかんじ。リヤホイールアーチの前端までは左右のみ、そこからうしろはシャシー全面をパネルで覆い、フラット化を図っているのがわかるだろう。
ムービーレポート
[マシン解説・エンジン編]
[マシン解説・足まわり編]
[マシン解説・ボディ編]
[レース前コメント・木下選手]
[レース後コメント・塚田さん]
取材協力:オーテックツカダ 長野県長野市大豆島5862-1 026-221-3086 http://www.attkd.co.jp/ ○ このページの先頭へ
Power House amuse
タイムアップにつながる エンジン特性に仕立て上げる!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモスペック1ヘッド、スペック2カム、INチタンバルブ、0.7mm厚ヘッドガスケット、鍛造ピストン、コンロッド、コンロッドメタル、クランクメタル、燃料ポンプ/アミューズ90φチタンサクションキット、R1エキマニ、R1チタンEXTRAマフラー、ハイテックROMハイカムSPL/前期純正改インマニ/ORCシングルメタルクラッチ/クスコLSD
■サスペンション&ブレーキ
アミューズハイテックダンパーキット(F10k R11k)/ニスモスタビライザー、フロントアッパーアーム/FブレンボF50キャリパー+R&Dローター/F PFCパッド、RエンドレスCC-Rパッド
■ホイール&タイヤ
レイズCE28N(F10.5J+22 R10.5J+18)/アドバンA048(265/35-18)
■インテリア&エクステリア
レカロSP-A/パーカルLapcom/アミューズフルエアロ(フロントエアロフォルムバンパーGTダクト仕様/サイドステップ/リヤバンパー/ドライカーボンボンネット/ライトウエイトフェンダー)
これまで行ってきたVQ35チューンの経験からねらいをしぼってパーツをチョイス!
 VQ35チューンにいち早く着手してきたアミューズだけに、チューニングノウハウは群を抜いて豊富。チューナーズバトル用エンジンを製作する際にもさまざまなアイデアがあった。そんななかから最終的に田名邉サンが選んだのは、ニスモ高圧縮ヘッドスペック1(オリジナル加工済み)を柱とした“富士専用スペック”ともいえる仕様だった。
 各チューナーによって選択がわかれたインマニは、ストレートのノビが若干劣ってしまうのを覚悟のうえで中間トルクの出しやすいノーマルを使用。高回転型になる35thアニバーサリー用のインマニを使わなかったのは、テスト走行の結果、富士でタイムを左右する後半のテクニカルな上り勾配セクションを優先したからだ。
ただし、そのまま使ったのではピーク後の落ちこみが激しいので、こちらもオリジナルスペシャル加工をほどこすことでピークの発生回転数を6400rpm付近まで引きあげ対処している。これでもトップスピードはライバルに多少の差をつけられてしまうのだけど、そこまでの到達時間が早いので、実はストレート通過にかかる時間は遜色ないレベルになったということだった。
 さらに決勝はキャンセルとなってしまったけど、長丁場に備えて冷却性をアップしたGTダクト仕様のエアロフォルムバンパーを製作してくるなど、とても精力的な作りこみをしてきたアミューズ。チューナードライブ1番手という好タイムだったにもかかわらず、まだまだ満足がいかないようすだった。
耐久性も考えたつくりこみ!
中間域を重視したエンジンはタイムアップだけでなくスケジュール的に入念なテスト走行ができないため、高回転化によるトラブルの発生をさけたかったという意味もある。トルク値は全車中ナンバーワンとの呼び声も。ニスモフェスティバル後のテスト走行では1分55秒中盤をマークした。
長丁場に備えて新たに製作
オリジナルエアロの開口部を広げてGTマシンのようなセパレートダクトを作ってきた。アウトレットダクトつきのボンネットとあわせて、クーリング対策は万全。問題が起きるような兆候は微塵もなかったという。
コースにあわせた試作ダンパー
超フラット&ハイスピードの富士にあわせて減衰力をアップ。これによって安定感はグッとアップしたのだけど、ターンインがニブくなったので暫定的にフロントスプリングを従来よりも4kg/mm落とした。「ちょっと大胆かな? と思ったけど好フィーリングだったよ」と田名邉サン。
ムービーレポート
[マシン解説・エンジン編1]
[マシン解説・エンジン編2]
[マシン解説・ボディ編]
[レース前コメント・田名邊さん]
取材協力:パワーハウスアミューズ 千葉県木更津市桜井新町2-2-1 0438-30-0151 http://www.webamuse.co.jp ○ このページの先頭へ
NISMO
“R1”仕様の開発もかねたテスト車両 本家ワークスチューンの意地を見せる

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモスペック2ヘッド、スペック2カムシャフト、チタンバルブ、0.7mm厚ヘッドガスケット、鍛造ピストン、H断面コンロッド、クランクシャフト、クランクメタル、スポーツエアフィルター、サクションパイプ、試作スロットル、試作エキマニ、メインパイプヴェルディナ+純正OPリヤエンド、燃料ポンプ、試作ECU/アニバーサリー用インマニ/ニスモカッパーミックスツイン、GT L.S.D.プロTTモデル
■サスペンション&駆動系
ニスモ試作Rチューン車高調(F18k R20k)、スタビライザー、フロントアッパーアーム、強化ブッシュ、試作ブレーキパッド
■ホイール&タイヤ
ニスモLMGT4(F9.5J R10.5J)/アドバンA048(255/40-17 R265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ニスモ試作フルバケットシート(レカロ)、ステアリング、コンビネーションメーター/ニスモバージョン2試作カーボンエアロ(フロントバンパー、ボンネット、サイドステップ、リヤアンダースポイラー)/ニスモリヤスポイラー
蓄積される技術とデータを市販パーツにフィードバック
 ニスモがVQ35にむけて用意しているエンジンチューンは、いまのところスポーツリセッティングとS1の2種類。その上のメニューとして、ちかい将来に市販化を予定しているのがサーキット走行まで見すえたR1だ。今回、富士に持ちこまれたこのZ33には、その開発車両という大役があたえられていたりする。
 そんな経緯もあって、エンジン関係では吸排気系を中心に多くの試作パーツが組まれている。たとえば、スロットルボディは吸気抵抗の低減をねらい、バタフライ径を拡大加工。それにともなって、サクションパイプの接続ぶぶんにあるしぼりこみも取り払われている。また、エキマニも試作品を装着するなど、とくにNAチューンでは初歩的かつ、パワー&トルク特性に大きく関わってくるアフターパーツの製作とテストが行われているワケだ。
 ちなみにスロットル大径化で1〜2ps、エキマニ交換でも4〜5psほどのパワーアップにとどまるという。その結果をどう見るかはひとそれぞれだけど、ワークス系メーカーとしては単にスペックを追い求めるだけではない。耐久性や信頼性までふくめ、チューニングの効果がどのていどあるか? それを知ったうえで市販化まで持っていくことが重要なのだ。
 あらゆる意味で、つねに先頭を走ることが宿命づけられたニスモZ33。これからのVQ35チューンの発展は、このZ33がカギを握っている…といっても大げさじゃない。
ピークパワー重視の仕様
“ストレートスピードをかせぎつつ、Bコーナーから先の連続S字区間をスムーズかつ速く走れるように”というテーマのもとにチューニング。トルクが目標値に届いてないというけど、最高出力はダイノパック係数ゼロで340psをマークしている。
合わせワザのエキゾースト系
触媒後のメインパイプにはニスモがラインアップするヴェルディナマフラーを装着。さらにリヤピースは純正オプションとして設定されるチタンマフラーを組みあわせている。
味つけはかなりスポーティ
ダンパーユニットはRチューンの試作品だけど、このZ33に組まれたパーツのなかでは比較的はやい段階で市販されそう。また足まわりではフロントアッパーアームと、各アームブッシュがニスモ強化品に交換されている。
快適装備も抜かりナシ
サーキット走行まで考えたR1とはいえ、とうぜん街乗りでの快適性も考慮。センターコンソールにある純正オプションのモニターにはイグニッションオンで“R-tune”のロゴが浮かびあがるような演出もほどこされる。
ムービーレポート
[マシン紹介] [レース前コメント・景山選手]
 
取材協力:ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル 東京都品川区南大井2-10-6 0120-846-423 http://www.nismo.co.jp ○ このページの先頭へ
TOMEI POWERED
富士仕様のSPLエキマニ&カムシャフトを投入 そんなサーキット向けパーツの市販化もスタンバイ!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモスペック2ヘッド(ポート研磨、燃焼室加工、燃焼室容積調整)、チタンバルブ、0.7mm厚ヘッドガスケット、鍛造ピストン、コンロッドメタル、クランクメタル、強化オイルポンプ、スポーツエアフィルター、S1仕様サクションパイプ、燃料ポンプ/TOMEIプロカム、バルブスプリング、H断面コンロッド、試作バッフルプレート、EXPREMEエキマニ、ECU/RB25DET純正インジェクター/ARC大容量オイルパン、フルデュアルスーパーチタンサイレンサー/ニスモカッパーミックスツイン、GT L.S.D.プロ
■サスペンション&ブレーキ
ジールS耐仕様車高調(F12k R10k)/ニスモスタビライザー/エンドレスキャリパー、ローター、CC-Rパッド
■ホイール&タイヤ
AVSモデルT6(F9.0J R10.0J)/アドバンA048(F245/40-18 R265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ブリッドシート/Key'sステアリング/デフィリンクメーター/C-WESTフルエアロ(フロントバンパー/サイドステップ/リヤアンダースポイラー/リヤウイング/ボンネット)
VQ35チューンの可能性がこれからますます広がる予感!
 エンドレスカラーのZ33は、東名パワードがエンジンを手がけ、シャシーはスーパーGTやS耐でエンドレスZのメンテを行うRS中春が担当するという、強力なタッグのもとで仕上げられた1台。でもってその正体は東京MX、TV埼玉、栃木TVで放映されている番組『Car Hyper』の企画車両だったりもする。
 エンジンは基本的に東名パワードのパーツを中心に、ラインアップがないモノに関してはニスモ製品を取り入れながら必要に応じた加工をほどこして組まれている。具体的にはカムとバルブスプリング、コンロッド、エキマニが東名製だ。
 なかでもカムとエキマニは、全開区間が長くアベレージスピードも高い富士にあわせたスペシャル品が投入されているのがポイント。
 もともと東名がラインアップするVQ35用プロカムは、もっとも過激なモノでも作用角は268度。今回はシリンダーヘッドの加工などにより圧縮比が13.0にまで引き上げられたため、市販品にくらべ一段と作用角の広いIN280度&EX272度をセットすることが可能になったのだという。
 また、こういったヘッドまわりのスペックの向上にあわせてエキマニも高回転仕様に。集合部までの長さをツメるとともに集合部の形状も変更。市販品は4000〜5000rpmを重視してるけど、富士スペシャルは5000rpm以上をねらった完全な上フリの特性とされる。
 これらのパーツは、今後のテスト結果しだいで市販化も検討されてるという。VQ35チューンがさらに広がりを見せるのも、そう遠くはないハズだ。
エンジンベンチでは350psをマーク
試作のカムとエキマニを組んで高回転型仕様へ。ノーマルのインジェクターでは、その容量をほぼ100%使いきってしまうことから、よゆうを持たせる意味で370ccを70〜80%で使っている。マネージメントは純正書き替えの東名ECUだ。
圧縮比13.0が作用角アップを実現
ノーマル圧縮比10.3のままでは、カムの作用角は268度が限界だったが、それを13.0まで上げられたことでIN280度、EX272度の組み合わせが可能に。このカムは中心角の関係でバルタイ変更が必要ないため、VTCはノーマルを使用している。
S耐用ダンパーにXコイルをセット
ダンパーには、シャシー担当のRS中春が使いなれてるジールのS耐用を使用。それに組みあわせるのは、レートの安定性やしなやかさに定評のあるXコイルだ。RS中春メンテと聞くと、足まわりも相当にやってあるように思うけど、アーム類などはノーマルのまま。
ムービーレポート
[マシン紹介]
取材協力:東名パワード 東京都町田市鶴間1737-3 042-795-8411 http://www.tomei-p.co.jp/ ○ このページの先頭へ
Yashio Factory
CPセッティングをじっくり煮つめてこそ VQ35のポテンシャルが引き出せる!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモスペック2ヘッド、カムシャフト、チタンバルブ、0.7mm厚ヘッドガスケット、鍛造ピストン、H断面コンロッド、コンロッドメタル、クランクメタル、スポーツエアフィルター、サクションパイプ/ヤシオファクトリーエキマニ、マフラー、ECU/後期純正インマニ/ニスモカッパーミックスツイン、GT L.S.D.プロTTモデル
■サスペンション&ブレーキ
ヤシオファクトリー車高調(F18k R14k)
■ホイール&タイヤ
アドバンレーシングRG2(10.0J+15)/アドバンA048(265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ブリッドガイアス/T&Eステアリング/T&Eエアロ(フロントバンパー/サイドステップ)/ニスモリヤアンダースポイラー/アミューズリヤウイング
セッティングしだいでかえられるパワーが激変!
 ヤシオファクトリーのZは、エンジン内部の主要パーツすべてをニスモ製で組んだ、今回参加したなかでは標準的な仕様だ。
 エンジン製作時には「まだ改修後の富士スピードウェイを走ったことがなかった」ということで、どのような仕様にするか迷ったそうだけど、最終的には35
thアニバーサリー用インマニを使うことで高回転フリの特性に仕上げてきた。ダイノパック係数ゼロによるパワー計測では300.1psをマーク。このパワーは単にパーツを組みこんだだけではなく、かなり綿密にECUセッティングを煮つめていった結果という。
 製作途中、暫定的なデータ(これでも走行に支障はない)で計測したときはたった248psしか出てなくて、さすがの岡チャンも「これはヤバいなぁ」と思ったとか。しかし、そこからセッティングをツメていくにしたがって、パワーがグングン増してくるところに「シルビアもいいけどZも楽しいね」とご満悦だ。
 タイムのほうはドライバーがコースに慣れていなかったことと、ふだんから街乗りしている完全なストリート仕様ということを考えれば上出来。2分を切ることができなかったのはザンネンだけど、もうちょっと走りこむだけで、あえて仕様変更をしなくてもタイムを詰められる手応えはじゅうぶんにあったという。
 今後は中速トルクを出すためにインマニをノーマルに戻したりして変化を見てみたいということだ。
セッティングの煮つめはバッチリ!
エンジン内部はニスモ製パーツを組みこんだオーソドックスな仕様。ただし、各部の精度を合わせたり修正などは行っている。コンピューターセッティングのみでパワーが約50psも変化したのにはさすがの岡チャンも驚いたとのこと。
スプリングのレートを変更
いままでのミニサーキット仕様からスプリングを前後ともに2kg/mmほどアップしてきた。さらにLSDも2ウェイに変更することで国内屈指のハイスピードコースに対応。
街乗り仕様そのまま
ガソリン約60リットルを積んだ状態で車重は1470kg。「ギリギリまでしぼりこんでもよかったんだけど、これくらいなら問題ないでしょ」とは岡チャン。
ムービーレポート
[マシン解説・エンジン編]
[マシン解説・ボディ編]
[マシン解説・足まわり編]
[レース前コメント・岡ちゃん]
[レース後コメント・岡ちゃん]
取材協力:ヤシオファクトリー 埼玉県 八潮市中央3-23-6 048-997-3510 http://www.yashiofactory.co.jp ○ このページの先頭へ
Central20
伝説のZドライバーがつくる試作パーツがテンコ盛り 現時点でも完成度の高さはそうとうなモノだ!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ヘッド加工/ニスモスペック2カムシャフト、0.7mm厚ヘッドガスケット、コンロッドメタル、クランクメタル/セントラル特注オリジナルピストン、コンロッド、サクションパイプ、ECU/Zスポーツエアクリーナー、エキマニ、バージョン2マフラー/ORCカーボンシングルクラッチ/クスコLSD
■サスペンション&ブレーキ
ジール車高調(F14k R10k)/フロントアッパーアーム/Zスポーツキャリパー、ローター、ブレーキパッド
■ホイール&タイヤ
ディレッツァRFZ(F8.5J+33 R9.5J+36)/ディレッツァ02G(245/40-18 265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ブリッドガルディス3/ナルディクラシックステアリング/トラスト追加メーター/Zスポーツフルエアロ(フロントバンパー/サイドステップ/リヤバンパー/リヤウイング/ボンネット)
サーキットもOKなストリート仕様
 Z33用オリジナルパーツを多数リリースしており、ボルトオンターボキットも好評というセントラル20。当然ながら今回はレギュレーションに合わせてハイコンプNA仕様で登場だ。
「Zの柳田」がプロデュースするパーツは機能性だけでなく美しさにまでこだわっていることで有名で、エンジンルーム内はサーキットを走るマシンとは思えないほどスッキリ。
 またサスペンションセッティングは、高速サーキット用に若干のモディファイは受けてるものの、そのままストリートを走ってもなんら不満のない仕様となっている。
 そんな生粋のストリート仕様でありながら各部の熱対策などもキッチリ行い、サーキットでの連続したハードな走行でもまったく音を上げないところがセントラル流だ。ちなみに、このチューナーズバトルに向けて、ニスモが用意した練習日もふくめておそらくもっとも周回を重ねていたのではないか思われる。しかも、そのほとんどの周回で2分フラットというタイムをコンスタントに刻む。劇的な一発の速さではなく、おそろしいまでの安定度の高さで勝負するタイプという印象だ。
 エンジンに関してはヘッド、ピストン、コンロッドが開発中の試作品ということで、これらはいずれ市販される可能性もあるということ。また、35thアニバーサリー用サージタンクを使うことで高回転に振ったエンジン特性にあわせ、ファイナルを4・3へと変更してるのもミソ。コース後半のテクニカル区間でも回転が落ちこまないようなセッティングだ。
 今回はあえてストリート仕様をほぼそのまま持ちこみ、その完成度の高さをアピールしてきたのだ。
美しさもじまんのエンジンルーム
エンジンルームで目立つのはオリジナルのエンジンカバーと試作品のサクションパイプ。バンパーダクトからフレッシュエアを積極的に取りこめるようにレイアウトされているのだ。
ブレーキ強化もぬかりナシ!
足まわりはオリジナルセッティングのエンドレス製ショックを使用。ブレーキはオリジナルの6ポット&4ポットキットで、数多くの周回をかさねてもだいじょうぶというから頼もしい。
インテリアも街乗り仕様
エンジンのデータ取りのために追加メーターがセットされているが、それ以外はストリート仕様のまま。ひたすら安定したタイムを刻めるクルマとドライバーの組みあわせはサスガだ!
ムービーレポート
[マシン紹介]
取材協力:セントラル20 東京都調布市上石原1-32-34 0424-86-4451 http://www.central20.co.jp ○ このページの先頭へ
NISMO Cars Factory ZELE
強力タッグで好タイムをゲット 大森ファクトリー製エンジンを搭載!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモスペック2ヘッド(段付き修正追加工)、カムシャフト、チタンバルブシステム、0.7mm厚ヘッドガスケット、鍛造ピストン、H断面コンロッド、クランクシャフト、クランクメタル、スポーツエアフィルター、S1仕様サクションパイプ、試作スロットルボディ、燃料ポンプ、試作ECU/TOMEIエキマニ/ZELEオリジナルチタンマフラー/後期純正インマニ/ニスモカッパーミックスツイン、GT L.S.D.プロTTモデル
■サスペンション&ブレーキ
マインズ車高調(F14.7k)/ニスモスタビライザー、強化ブッシュ、フロントキャリパー、フロントローター、Rチューンパッド
■ホイール&タイヤ
ニスモLMGT4(9.5J+30)/アドバンA048(265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ニスモ試作バージョン2フルエアロ(フロントバンパー/サイドステップ/リヤアンダースポイラー)
テストでのトラブルを短期間でみごと解決!
 このマシンにはニスモ大森ファクトリーの手によってチューニングされたエンジンが搭載されている。その内容はニスモ高圧縮ヘッドスペック2を使用し、ピストンとコンロッド、スロットルボディはおなじくニスモの試作品。エキマニは東名パワード製を組み合わせている。
 このエンジンはテスト走行でもトラブルはなく、ゼルオリジナルのチタンマフラーからは快音を轟かせていた。しかし、シェイクダウンということもあってタイム的にはイマイチ。しかもデフオイルが吹き出すなどの問題が発生してしまったのだ。
 しかし、そこからわずかな時間で足まわり(マインズ製)の煮つめを行うと同時にデフクーラーを追加するなどして対策。これらの的確な対応によってなみいるライバルを押しのけて予選4位の好タイムをマークしてくるあたり、技術力の高さをうかがわせる。
 ドライバーの菊池選手によれば、テストのあとにスプリングのレートをアップしたにもかかわらず、足まわりの動きはしなやかさを失っていないという。各部のブッシュを強化していることもあってフィーリングはとてもシッカリしており、Sタイヤのグリップをじゅうぶんに引き出せるようになってるとのことだ。
 各分野のプロが手がけたパーツを組みあわせて、最後はゼルの手によってその威力をあますところなく引き出すことに成功。コラボメイクの好例と言えそうだ。
かん高いサウンドを放つ
NISMO大森ファクトリーの手によってチューニングされたエンジン。今回のために製作されたオリジナルの極太マフラーはカン高いサウンドを響かせて好調さをアピールしていた。
冷却系もバッチリ強化済み
サーキットなどでは冷却性能が不足してしまいがちのZ33だけに、アルミラジエターと大容量オイルクーラーで対策。テストの結果、デフクーラーも追加された。
マインズとコラボレート
足まわりは確かな実績を誇るマインズ製をチョイス。しなやかな動きがじまんのオーリンズ製ショックとアイバッハスプリングという組みあわせだ。
ムービーレポート
[マシン紹介] [レース前コメント・菊池選手]
取材協力:NISMOカーズファクトリーZELE 神奈川県厚木市山際505-10 046-244-2000 http://www.zele-international.com ○ このページの先頭へ
Sun Line Racing
いまはカム交換のみのお遊び仕様 でも大化け予定の期待度満点マシン!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
TOMEIプロカム(IN/EX256度 10.2mmリフト)、バルブスプリング/HKSパワーフロー、サクションパイプ、F-con Vpro/サンラインレーシングオリジナルチタンエキマニ、GTスペックRマフラー/エクセディD-COREツイン、カーツLSD
■サスペンション&ブレーキ
ジールファンクションV6/Xコイル(F12k R14k)/サンラインレーシングオリジナルフロントキャンバーアーム/Fエンドレス6POTキャリパー+ローター Rエンドレス4POTキャリパー+ローター、MA11パッド
■ホイール&タイヤ
SSRタイプC(10.5J+16)/アドバンA048(265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ブリッドジータ/HKS追加メーター/C-WESTフルエアロ(フロントバンパー/サイドステップ/リヤバンパー/リヤウイング/ボンネット)
エンジンメニューは決定済み激変するエクステリアも注目
 サンラインといえば、筑波58秒、岡山国際サーキット1分35秒をマークしているチョッ速のS15サーキット仕様でよく知られるショップ。「ただ、ちょっとS15にこだわりすぎたわ。Z33は1年前につくってから、なんも手を入れてないねん」と代表の佐藤サンはいう。
 そんなワケで、いまのところ東名プロカムに強化バルブスプリング、それと吸排気チューン+Vプロ制御という超ライトな仕様だ。ちなみにカムはストリートでの実用性を考えて、低中速フリの256度をセットしている。
 しかし、S15でのタイムアタックがひと息ついたいま、Z33を進化させるために画策中だ。エンジン関係ではニスモスペック2ヘッド&カム、S耐用ピストン、東名コンロッド、フリクションロスがすくない35thアニバーサリー用クランクをバランス取りして組み込むメニューを予定していて、すでにパーツはそろっていたりする。ただ、短期間でこれらを組みあげ、セッティングを出すのはリスクが高いと判断し、今回はあえてムリをせず、現状のまま参加することにしたそうだ。
 また、外装も大幅なモディファイを計画中で、カーボン製パーツを使ってGTルックに仕上げ、東京オートサロンでその姿を披露するんだとか。となると、空力性能も格段に向上するハズ。S15のように完全なサーキット仕様ではなく、あくまでストリート仕様を前提に進化させていくそうだ。またまたサンラインのマシンが全国のサーキットで暴れてくれるのは、まちがいないと見た。
基本を押さえたライトチューン
排気系で大きくパワーロスしているといわれるVQ35。そのため、エンジン本体はカム&バルブスプリングのみ交換というメニューながら、エキマニもふくめた排気チューンが効果を発揮し、ボッシュのシャシダイでは330psをマークしている。
オイルクーラーは必須アイテム
街乗りだけならまず問題になることはないけど、サーキットを走らせる機会が多いZ33はオイルクーラー装着が欠かせない。しかも、富士のように全開区間が長いサーキットでは、このコアサイズだと容量不足だという。
ファンクションXの開発モデル!
足まわりは何種類もテストした結果、しなやかな動きでストリートでもサーキットでも不満がなかったファンクションV6(絶版)とXコイルという組みあわせで落ちついた。「これって、ある意味ファンクションXのテストやん!?」と佐藤サン。
ムービーレポート
[マシン紹介] [レース前コメント・山田選手]
取材協力:サンライン 岡山県岡山市古新田1198-1 086-209-0555 http://www.sunline-auto.com/ ○ このページの先頭へ
I&D
ユーザーへのフェードバックを前提に市販パーツと加工で300PSをねらう

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモ高圧縮ヘッド(ポート加工)、バルブ、0.7mm圧ヘッドガスケット、クランクシャフト/I&Dオリジナルカムシャフト(IN/EX272度 11.0mmリフト)、エアクリーナー、サクションパイプ、サージタンク、インマニ、エキマニ、マフラー、GALLOP ECU/ER34純正燃料ポンプ、インジェクター/ニスモカッパーミックスツイン、GT L.S.D.プロTTモデル
■サスペンション&ブレーキ
I&D N1ダンパーC-1スペック、プロジェクトμレーシング4ポットキャリパー、ローター、HCブレーキパッド
■ホイール&タイヤ
ディレッツァRSC(9.5J+15)/ディレッツァ02G(265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ジュランフルバケ/デフィリンクメーター/ニスモフルエアロ(フロントバンパー/サイドステップ/リヤアンダースポイラー)/VOLTEXリヤウイング/バリスボンネット
今回がほぼシェイクダウンこれからの展開に期待だ!
 サーキット、ゼロヨン、ドリフト、それぞれのステージに積極的にチャレンジするI&Dは、そこでの開発をユーザーへとフィードバックすることを目的としている。チューニングカーバトルに参加したのもその一環。ただし、ニスモのスペック2ヘッド&カムはまだ市販されていないから、S耐用ピストン&コンロッドは一般ユーザーが手に入れらないから…という理由で、今回ニスモから支給されたパーツの装着は見送っている。
 ということでエンジンチューンの内容は、ニスモスペック1ヘッドにストレートポート加工をほどこし、カムはIN、EXともにオリジナルの272度をセット。それ以外はニスモやオリジナルで市販しているパーツか、あるいは純正パーツをそのまま使っているそうだけど、ポート加工がかなり効いてるようで最高出力は306psをマーク。とくに中〜高回転域でのパンチ力が大幅に向上したという。
 じつはI&DがZ33に本腰を入れて開発するのはこれがはじめて。しかも、ニスモフェスティバル直前に筑波をいちど走らせただけで、この日が事実上のシェイクダウンだったりする。つまりエンジンだけでなく、足まわりやボディ剛性など、すべてがまだテスト段階なのだ。それでも、予選では2分2秒台を記録。いまの仕様でのアタックとしては、好タイムといってもイイ。さらに予選をおえて今後の課題も見えてきたというから、これからが楽しみな1台だ。
吸気へのこだわり
VQ35チューンで真っ先に行ったのがインマニとサージタンクの容量アップ、くわえてポートの段つき修正。ターボのように強制的に空気を送りこめないぶん、吸気量の増加とスムーズな空気の流れは欠かせなかったというわけだ。
アンダーステアの解消が急務
足まわりはAPエンジニアリングと共同開発したオリジナルのサーキットスペック。まだテスト段階ということもあり、予選ではアンダーステアの強さが気になったという。とりあえず、現場でできることとして車高を調整したが、決勝を走る機会は与えられなかった。
GTウイングはハズでない!!
S13、JZX100と、これまでのデモカーすべてにGTウイングを装着していたこともあって、これはI&Dとして欠かせなかったという。ただ、高速コーナーでのトラクションはよかったものの、直線では抵抗になり、最高速は思ったよりも伸びなかったようだ。
ムービーレポート
[マシン紹介] [レース前コメント・古口選手]
取材協力:I&D 千葉県柏市藤心893-1 04-7176-9323 http://www.IandD.co.jp/ ○ このページの先頭へ
ULTIMATE
日本ではめずらしい左ハンドルの北米仕様 アイデア満点のツインスロットルにも注目!!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモスペック2ヘッド、カムシャフト、チタンバルブ、0.7mm厚ヘッドガスケット、鍛造ピストン、H断面コンロッド、コンロッドメタル、クランクシャフト、クランクメタル/アルティメイトオリジナルサクションパイプ、ツインスロットル加工、エキマニ/ニスモカッパーミックスクラッチ、クスコLSD
■サスペンション&ブレーキ
オーリンズ車高調/テインスプリング(F18k R12k)/クスコフロントアッパーアーム/アルコンフロントキャリパー、フロントローター、ブレーキパッド
■ホイール&タイヤ
F BCNR33純正ホイール(9.0J+30)R:ボルクレーシングTE37(9.5J+22)/ポテンザRE55S(F255/40-17 R285/30-18)
■インテリア&エクステリア
レカロSP-G/トラスト追加メーター/ニスモフロントバンパー/kaminariサイドステップ
左右独立の吸気系を持つ個性的なメイキング
 アルティメイトが持ちこんだのは、エントリー車両で唯一の北米仕様。それだけでも目を引くのに、さらなるサプライズがエンジンルームにあった。
 まるでウデを広げているかのように、サージタンクから左右にのびる2本のパイピング。なんと吸気系を左右バンクでわけたツインスロットル&ツインエアフロ仕様なのだ。
「そもそも3.5リットルという排気量に対して純正スロットルはバタフライ径がちいさすぎると思うんです。とくに高回転をねらうとなると。そこで、左右バンクの吸気系を完全に独立させれば、吸気効率もイッキにアップするんじゃないかと思ったワケです。もちろん、ほかのひとが思いつかないことをやってやろう!っていう気持ちもありましたけどね」とは代表の高賀茂サン。
 サージタンクはワンオフ品で内部に仕切り板をもうけて左右バンクを完全分割。各サクションパイプには、純正スロットルとエアフロがひとつずつセットされる。制御はとうぜん純正ECUだけど、エアフロを並列でつないだため通常0〜5ボルトのエアフロ電圧が最大2.5ボルトに低下。となると、全開時でもインジェクター噴射量は本来の半分になってしまう。そこでニスモ480ccインジェクターに交換して、半分の噴射量でもノーマルと同等の燃料を確保しているってワケだ。
 イベント直前に完成し、現状はやっと動かせるていど…という仕上がり。まだまだこれから試行錯誤がつづきそうだけど、独創的なVQ35チューンとしてぜひモノにしてもらいたいね。
見ためのインパクトも文句ナシ!
左右独立のツインスロットルというとアタマに思い浮かぶのがVG30だけど、それとは似ても似つかない仕上がり。左右にのびるサクションパイプは、アルティメイトによる完全なワンオフとなっている。
ベースは純正サージタンクだけど…
そのおもかげはほとんどナシ。内部は左右2室にわけられるだけでなく、気筒ごとのファンネルももうけられ吸気効率の向上が図られる。さらに、カバー全体を30mmカサあげして大幅な容量アップも実現しているのだ。
いかにもワルそうなイメージ
砲弾型サイレンサーを持ち、左出しへとあらためられたワンオフチタンマフラー。テールエンドだけでなく、シャシー下面をはう94φのメインパイプが迫力だ。デフキャリアのうしろにはデフオイルクーラーも確認できる。
ムービーレポート
[マシン紹介]
取材協力:アルティメイト 栃木県宇都宮市下荒針町2678-252 028-649-0240 http://homepage1.nifty.com/ultimate/ ○ このページの先頭へ
AUTO PRODUCE BOSS
ニスモパーツを組んだだけの仕様で勝負 今後の課題が見えてきたのは大きな収穫!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ニスモスペック2カムシャフト、チタンバルブ、0.7mm厚ヘッドガスケット、ピストン、コンロッド、スポーツエアフィルター、S1仕様サクションパイプ/ボスオリジナルコンロッドメタル、クランクメタル、チタンマフラー、ECU/TOMEIエキマニ/ニスモカッパーミックスツイン、GT L.S.D.プロ
■サスペンション&ブレーキ
プロドライブ車高調(F13k R13k)/ニスモスタビライザー、強化ブッシュ、フロントキャリパー、フロントローター、ブレーキパッド
■ホイール&タイヤ
プロドライブGC05F(F9.5J+22 R10.5J+25)/ポテンザRE55S(265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ブリッドシート/プロドライブステアリング/バリスフルエアロ(フロントバンパー/サイドステップ/リヤウイング/ボンネット)
オリジナルの腰下パーツが進化に大きく関わってくる
「ホントはニスモのスペック2ヘッドとカムに、オリジナルのピストンとコンロッドを組みあわせる予定だったんだよね。ほら、今回はニスモから参加ショップにパーツの支給があったでしょ。だから、みんなおなじになっちゃうとツマラナイと思ってさ」というボスの藤岡サン。残念ながらオリジナルのピストンとコンロッドが間にあわず、ニスモS耐用パーツで代用。ヘッドを加工する時間もなく、まさに素組みしただけの状態で持ちこむことになった。
 この仕様でのダイナパック計測値は290ps/37kgm。藤岡サンは300psオーバーを期待していたけど、いまの仕様ではこれが限界。ただ、トルクが太くなったことで、街乗りでのあつかいやすさも、サーキットでの楽しさも格段に向上しているそうだ。
 でもってボスとしては、この仕様でアタックしたことから新たな収穫があったみたい。口径が大きく、吸気管長が短い35thアニバーサリー(MC後期)用インマニに交換すればカクジツに300psオーバーをねらえるし、現状42.7φのエキマニを50φにすれば、さらなるパワーアップも図れそうだという。
 となると、とうぜん高回転域でのパンチは向上するハズ。いっぽうで低中速トルクが犠牲になるってことも考えられるけど、そこはいま組まれているS耐用よりも軽量に仕上がったオリジナルピストン&コンロッドがもたらすレスポンスのよさをいかせば…と、期待はふくらむいっぽうだ。これはボスZ33から目が離せそうにない。
現状はとりあえずの仕様
コンロッド&クランクメタルがオリジナルのほかは、ニスモと純正パーツを組みあわせた状態。今後はインマニの容量アップ、オリジナルの腰下へのグレードアップなどを計画している。「300psオーバーのZなら、ターボ車にだって負けないよ」と藤岡サン。
音質にもこだわりアリ
オリジナルとなるフルチタンマフラーは、メイン76.3φ、テール120φ。パワー&トルクアップや軽量化を実現するだけでなく、NAチューン+フルチタンがもたらす乾いたエキゾーストノートもじまんの逸品だ。
ストリートにも完全対応
足まわりはプロドライブの試作品でバネレートは前後13kg/mm。コイルオーバー式に変更するとボディの負担箇所が変わるから補強が必要…という理由で、リヤにはノーマル形状を選んでいる。16段の減衰力調整により、オールマイティに対応するのも魅力だ。
ムービーレポート
[レース前コメント・風間選手]
[レース前コメント・藤岡さん]
取材協力:オートプロデュース・ボス 長野県長野市川合新田1370 026-266-6388 http://www.ap-boss.com/ ○ このページの先頭へ
Matchless Crowd Racig
Z33勢に食いこむ唯一のV35 ハンデを押しのけ2分切りを達成!

SPECIFICATIONS
■エンジン&駆動系
ARMダミーヘッドつきシリンダーホーニング、バルブシートカット、Rバイト加工、リン青銅バルブガイド、燃焼室研磨/ニスモスペック2ヘッド、カムシャフト(IN284度 11.0mmリフト EX268度 10.5mmリフト)、チタンバルブ、バルブスプリング、0.7厚ヘッドガスケット、高圧縮ピストン、H断面コンロッド、クランクシャフト、コンロッドメタル、クランクメタル/HKSエアクリーナー/ニスモサクションパイプ/純正スロットル段つき修正/35周年アニバーサリー用サージタンク/インマニ段つき修正/HKSエキマニ/ARC試作チタンマフラー(メイン60φ×2 テール112φ)/ニスモ燃料ポンプ、480ccインジェクター×6、プラグ8番/純正書き替えCP/ニスモカッパーミックスツイン、GT L.S.D.プロ
■サスペンション&ブレーキ
テインスーパーレーシング試作(FR16k)/ニスモスタビライザー/M35 4WD用Fアッパーアーム/ニスモ試作ブッシュ/FブレンボN1キャリパー+355φローター/ニスモパッド
■ホイール&タイヤ
エンケイRP-03(F9.5J+18 R10.5J+18)/アドバンA048(F245/40-17 R265/35-18)
■インテリア&エクステリア
ブリッドジーグ3/スパルコステアリング/デフィV.S.D./ニスモフルエアロ(フロントバンパー/サイドステップ/リヤバンパー/リヤアンダースポイラー/リヤウイング)
NAメカチューンの伝統的手法を満載!
「打倒! ポルシェGT3」をテーマにチューニングを進め、OPTでそのメイキングを連載中のMCR V35。チューニングカーバトルでは特認車両という位置づけでV35のエントリーはこの1台だけだ。
 エンジンは、ひとことでいうとフルニスモ仕様。ただし、各パーツを素組みしただけではなく、お約束のポート研磨をはじめ、シリンダーホーニングやダイナミックバランス取り、バルブガイド打ち代えまで行い、各部クリアランス精度にとことんこだわって組まれている。
 なワケで、使ってるパーツはおなじでもNAとしてのチューニングレベルは、参加車のなかで1〜2位を争うモノ。なにより、触媒つき&ダイノパック係数ゼロの計測でハジキ出された328psという最高出力が、レベルの高さを証明しているといってイイ。
 そのいっぽうで「なんどもテストしたけど、足まわりのセッティングがどうにも決まらないんだよね」とMCR小林サン。それもダンパーとスプリングが別体式で、レバー比の関係から16kg/mmのスプリングでも踏んばりがたりないリヤサスがネックだという。
 それともうひとつ、Z33よりホイールベースが20cm長く、前後トレッドが35cmせまいディメンションも走りに影響。とくに100Rや後半の連続S字セクションでは、Z33以上に挙動がシビアになるそうだ。
 Z33より条件が不利なのはわかっていながら、それでもV35で参戦。12台中6番手のタイムは大健闘だ。
徹底した修正&加工作業
本文でふれた作業以外にも、ピストン&コンロッド重量あわせやピストンリングの合い口クリアランス調整、バルブシートカット&Rバイト加工などなど、その内容すべてはとてもココでは書ききれない。くわしくは先月&今月号のOPT連載ページを参照してくれ!
発展途上のリアサスペンション
小林サンの計算だとリヤサスのレバー比は2.2:1。つまり16kg/mmのスプリングでも実効レートは7kg/mm強にすぎない。そこで最終的にはコイルオーバー化を図り、バネレートが幅広く用意された直巻きスプリングでセッティングしていきたいとのことだ。
キメこまかなセッティングが可能
Sタイヤ装着でのサーキット走行にマッチさせるべく、ストリートを重視したこれまでのテインタイプCS改MCRバージョンから、スーパーレーシングの試作品に交換。別タンク式で、伸び/縮み側とも20段階の減衰力調整を可能にしている。
こだわりの軽量化
内装はすべて残したまま軽量化するのがMCR流。チューニングカーバトル仕様でもそのポリシーは貫かれ、エアバッグ取りはずしやCFRP製シートへの交換といった作業の積みかさねによって、最低規定重量となる1450kgまでウエイトダウンされている。
ムービーレポート
[マシン紹介] [レース前コメント・小林さん]
 
 
取材協力:MCR 埼玉県八潮市大曽根612-8 048-995-0131 http://www.mcr-ltd.com ○ このページの先頭へ