純正ステアリングは万人に向けて作られているので、クルマで“スポーツ”をするには少々径が大きすぎる。ほとんどの純正ステアリングは370φ(直径370mmという意)〜400φというサイズ。それに対してアフターパーツのステアリングは325φ〜360φあたりと、小径なものが多い。
ステアリングの径を小さくすると、同じ舵角をあてるにも腕を動かす距離が少なくて済むので、純正ステアリングと同じ感覚で操作するとあたかもクルマがクイックになったかのような感覚を味わえる。
しかし、ステアリングは「テコの原理」で作用するものなので、あまり小径なものにしてしまうとステアリング操作が重たくなってしまうので覚えておこう。

一般的なクルマの純正ステアリングには、たいていウレタン素材が使われている。スポーティカーや高級車になるとレザー(革)タイプが奢られていることもあるけど、それでも純正ステアリングだけに個性はイマイチ。
アフターパーツのステアリングに使われている素材は、大きく分けてふたつあって、ひとつは純正レザータイプと同じくツヤのあるレザー。そしてもうひとつは“スウェード”と呼ばれる、表面が毛羽だってザラザラしている革タイプだ。(“バックスキン”と表記しているメーカーもある。)
スウェードタイプはスベリにくいというメリットがあって、確実な操作を要求されるレーシングマシンへの装着率が高い。ただ、スウェードステアリングはレーシンググローブを装着して使うことを前提に作られているものが多いので、素手で握っているとよく握る部分がツルツルになってしまうことも。こうなると新品時の吸いつくようなグリップ感はスポイルされてしまう傾向になる。ここらへんも頭に入れて、ステアリングを選んでいこう。

ステアリングの太さが変わってくれば、運転している時のフィーリングも確実に変化する。こればかりは好みと感じ方のちがいだけど、太ければドッシリとした剛性感のあるフィーリング。細ければ軽快感のあるステアリングワークが可能に。というふうに感じるのが一般的な見解だ。
そしてひとそれぞれ、手の大きさもちがうので、実際に店頭にあるステアリングを握ってみて、自分の手にシックリくる太さをチョイスするのがベターだろう。